何手も先を読む究極の頭脳戦・将棋。長時間に渡り集中力を持続し、深く考えることで1局を終えた時には数キロ痩せるほどの体力を使うとも言われている。若い棋士であれば、その長時間対局にも“全集中”で乗り切れるだろうが、年齢を重ねてくるとそうもいかない。「人間の頭は不思議で、自分で完全に支配はできない。頭からお尻まで集中はできないんですよ」と語るのは、ベテラン棋士・中川大輔八段(52)。不意に思考が止まってしまう「空白の時間」とも、付き合いながら戦っているという。