TVアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」(以下、リゼロ)2ndシーズンが、ファンの心に刺さる数々のシーンを生んで、前半クールを終えた。主人公・スバルが“死に戻り”の能力を使って何度も周回を重ねても克服できない難題とともに、さらに多数の謎が生まれ、混沌を極めている。その中の一つとして、極度の不安からなんとヒロイン・エミリアが“闇落ち”することも…。ファンからは「闇リアたん」とも呼ばれたが、演じた声優・高橋李依は、どんな思いだったのか。
【動画】深まる謎をもう一度「Re:ゼロから始める異世界生活」2ndシーズン
-2ndシーズンは、エミリアがエキドナの試練に苦しむシーンがセーブポイントとして、何度も描かれました。
高橋李依(以下、高橋)
演じていて思ったのは、スバルの表情がつらそうだったり、悲しそうだったりすると、エミリアはすごく強くなれるんです。逆にエミリアが悲しかったり苦しそうだったりすると、スバルが「俺が!」ってなる。どうして2人は一緒に強くなれないんだろうと(笑)役割がはっきり分かれていたと思いました。
-スバルが難題を克服しようと必死になる中、エミリアを“放置”したことで心が壊れるという最悪の事態になりました。(第36話=死の味)
高橋
演じる前にエミリアがこういう状態になるには、何が起きていたのかということをまず考えました。後でロズワールからネタバラシもあるわけですが、ずっと一人だったということ、パックもスバルもいなくて、今までエミリアを支えてきてくれたものが何もないという状況を考えて、エミリアが一番弱くなったらこうなるんだろうという、描かれていないストーリーを自分なりにイメージしました。
-視聴者にとっては、突如の闇落ちという驚きがありました。
高橋
見ると結構、唐突に闇落ちしているという印象にはなるんですが、エミリアにも闇落ちするまでの時間があったはずなので、その時間がいかにつらかったのか一瞬でわかってもらえるといいな、と思っています。
-極度の不安でひどく落ち込み塞ぎ込むのではなく、それを通り越して笑っていました。
高橋
そこは驚きました!闇落ちのシーンは、笑っているところがすごく多かったので、笑顔に甘えるような形でお芝居のテストをしてみたら、意外といつものエミリアと変わらなくて。「あれ?エミリアって常に甘える声だった?」と思うくらい、あんまりお芝居に差が出なかったのが、自分の中でびっくりだったんですよね。
-実はエミリアの素に近かったかもしれないと?
高橋
演技としては「本番は、もっとわかりやすくやっていいよ」と言われましたね。「スバル、だーいすき」というセリフも、実際の自分の人間関係の中でこういう女の子いたらぞわっとしちゃう、みたいな距離感でやってみたら「あれ?普段のエミリアとあんまり変わらないぞ?」と(笑)。
-意外な発見になりました。
高橋
身近なお芝居よりもちょっと誇張しながら「だーいすき」の語尾をやってみたところ、わかりやすく感情が抜け落ちたんですよね。ネジが1本飛んでいるというか、とにかくわかりやすくというのが本番の時に大切にしたディレクションです。今回こういったシーンがあったことで、エミリアとしての外し方も勉強させてもらったという感じでした。
(C)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会