森会長「女性がいると会議に時間がかかる」 繰り返される“失言”にサリー楓氏「叩くだけではなく、ポジティブな動きに変えていくべき」
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 東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が3日、オンラインで行われたJOCの臨時評議員会の中で、「女性がいると会議に時間がかかる」と発言したという。発言の冒頭、森会長は「テレビがあるからやりにくいんだが」と前置きした上でこう切り出したという。

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 「女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手を挙げて言うと、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです」

 現在、JOCの理事は25人のうち5人が女性だが、文部科学省の方針に従って女性の割合を40%以上に増やそうとしている。そんな中飛び出した発言。森会長はあくまで個人的な見解としながらも、こう付け加えたという。

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 「女性の理事を増やしていく場合は、発言時間をある程度規制をしないとなかなか終わらないので困ると言っておられた。誰が言ったとは言わないが」

 インターネット上ではこの発言に対し、「会議を無駄に長くしちゃう人は男女関係なくいますよね」「しみじみ昔の人なんだなぁと まわりの変化にすら気づけない」などと批判の声が上がっている。

 なお、森会長はきょう会見を開き、「オリンピック・パラリンピックの精神に反する不適切な発言であったと認識している。まず深く反省をしている」と謝罪し、発言を撤回した。

 今回の森会長の発言について、トランスジェンダーとしてLGBTQに関する講演会も行うサリー氏は「海外メディアは、日本を代表する人物が発言した、という風に見ているだろう。森会長のような重要な人物の発言はそのまま日本人の意見だとして捉えられかねないため、危うい状況だと思う」と指摘。

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 また、「このような差別的な発言に対して自分の意見をSNSなどで発信する機会が増え、そういった発信を受けてメディアが取り上げることも多くなった。女性を軽視するような発言に関するニュースは毎週のように出てきている。ジェンダー平等の実現に対してオリンピックがどのように向き合っていくのか、より厳しい目が向けられていると思う。海外でも『#MeToo運動』のようなことが起こるなどジェンダー平等に対する世間の関心は高まっている中で、こういう失言はあってはならないものだった」と苦言を呈する。

 一方で、「失言を叩くだけではなく、ポジティブな動きに変えていくべきだ」とし、「失言した人を叩いて辞任を求めたりするムードも起こると思うが、こういった失言を繰り返さないために、どのように教育しリテラシーを高めていくことが必要か、といった視点も欠かせない。ポジティブなムーブメントになっていくといいと思う」との見方を示した。

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

森会長の発言「非常に困惑している」
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