敵も味方も「強くて笑っちゃう」伊藤匠四段、超早指しで“藤井聡太”級の躍動 Twitterでもトレンド入り/将棋・ABEMAトーナメント
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 超早指しで鬼のように強いといううわさは本当だった。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」の予選Aリーグ・第1試合、チーム藤井とチーム稲葉の対戦が4月10日に放送され、チーム藤井の伊藤匠四段(18)が久保利明九段(45)、船江恒平六段(33)に勝利。どちらも超攻撃的な戦いぶりでの完勝で、両チームの棋士から「強すぎる」「強くて笑っちゃう」と、呆れるばかりという声が続出した。

【動画】伊藤匠四段が久保利明九段に快勝した一局(43分ごろ~)

 デビュー間もない新四段らしからぬ落ち着きぶり。第2局、振り飛車党の第一人者・久保九段との戦いに挑んだ伊藤四段の雰囲気は、強者のものだった。後手番から久保九段がゴキゲン中飛車を採用したのに対し、居飛車を選んで冷静かつ力強く熱戦をコントロール。玉頭戦を制したあたりから流れをつかむと、最後は長手数の詰みを見事に読み切り、華麗に勝利した。「相手が久保先生というトップ棋士だったので、非常に緊張しました」と初手合を振り返ったものの、この快勝譜に驚いたのは周りの方だ。作戦会議室で見ていた藤井聡太王位・棋聖(18)が「おおー!」と声をあげると、高見泰地七段も「強い!強くて笑っちゃう」とコメント。さらに相手チームの船江六段も「相手、強っ!」と短い言葉に驚きを込めた。

 続く出番は第6局。直前に、藤井王位・棋聖を倒して勢いに乗る船江六段に対して、ここでも完勝した。横歩取りから「少し研究していた形」に持ち込み、序盤から猛攻。まるで隙のない一局に藤井王位・棋聖が「強いですね」とつぶやくと、相手のリーダー稲葉陽八段(32)も「見事すぎる…」と舌を巻いた。

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 驚いたのは視聴者たちも同じことだ。単なる若さに任せた将棋ではなく、研究の様子も伺える勝ちっぷりに「伊藤くん素晴らしい」「ファンになっちゃった」「藤井世代やばすぎ」と、大盛り上がり。さらに放送の最中から、その強さにTwitterでもトレンド入りを果たすなど、この日だけでも一気にファンの数を増やしたようだ。

 実は伊藤四段、プロの間では前評判が高かった。前回大会で、三浦弘行九段(47)が率いるチームの練習相手として招かれた時、計4人の中で、超早指しで最も強かったのが伊藤四段だった。今年のドラフトでも、藤井王位・棋聖はこの話を知っていたことで指名した経緯もある。1勝1敗の藤井王位・棋聖、2勝1敗の高見七段よりも、成績でも内容でも輝いた伊藤四段の2連勝。ニューヒーロー誕生を予感させるには十分すぎる2局となった。

◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。

ABEMA/将棋チャンネルより)

新リーダー藤井聡太王位・棋聖
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激闘を制した高見泰地七段
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圧巻の強さを見せた伊藤匠四段
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