“選ばれた人”はなぜ失言する? 「14歳と同意性交」発言に批判殺到…問題の背景
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 立憲民主党内の会合で、性犯罪刑法の改正に関して「例えば50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まることになる。それはおかしい」などと発言した本多平直衆院議員が8日、謝罪した。発言は「不適切だった」と撤回し、「中学生を保護するために成年を処罰する考えには賛成だ」と釈明。「真摯に反省し、認識を深めていく」と述べた。

【映像】「14歳と同意性交」発言を撤回謝罪

 議論上のやり取りがあったとはいえ、相次いで批判が寄せられた本多議員の発言。なぜ、こういった失言が国会議員から出てしまったのだろうか。問題の背景について、ニュース番組『ABEMAヒルズ』に出演した明星大学心理学部准教授で臨床心理士の藤井靖氏は「発信力と共感力は必ずしも両立するわけではない」と語る。

「こういった世間を揺るがすような問題発言は国会議員だけではなく、過去に内閣官房参与や政府関連の委員会に属する人、あるいはブレーン的立場の人からも多々あった。問題の背景にあるのは、これらの“選ばれた人”たちは発信力や持論を述べる力に秀でているが、そういった能力は必ずしも“共感力”と比例、両立するわけではないし、むしろ反比例しているように思われる人たちも一定数いる」

 その上で、藤井氏は本多議員の“情動的共感性”に言及。「相手がどう思い、どう感じるか。共感性には認知的共感性、情動的共感性の二種類がある。認知的共感性は頭で考えて共感することで、情動的共感性は心から共感すること。他人に共感できないわけではないが、本多議員は情動的共感性がちょっと低いのではないかと思う」

「情動的共感が低いと、人に温かく寄り添う反応がなかなかできなかったり、相手の痛みを事後に分析して考えることはできても、その場でリアルに感じることができないということが起こる。これが失言の背景の一つ。また仮に相手が傷つくようなことがあっても、ドライに考えられる特性を持つ。なので、失言を繰り返すということも起こりやすい」と見解を語った。

 波紋が広がっている“同意性交”をめぐる発言。本多議員は発言を謝罪し、撤回したが、世間からはまだまだ厳しい意見が続きそうだ。

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

【映像】「14歳と同意性交」発言を謝罪撤回
【映像】「14歳と同意性交」発言を謝罪撤回