「開幕当初の選手村ではトラブルが付き物だが、ちょっと不安になってきた」橋本会長の会見に元JOC職員が懸念
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 いよいよ開幕した東京オリンピック。しかし、「選手村のエアコンのリモコンが日本語表記でわからない」「ベッドや部屋が小さくて使いにくい」という指摘や、海外メディアからは提供される食事への不満などの声が上がっている。

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 大会組織委員会が開いた20日の会見では、海外メディアから「(選手村の部屋には)冷蔵庫もテレビもない。5、6人で1つのトイレを使っている。フェンシングのヘッドコーチは“まるで中世の日本のようだ”と言っている」と質問。橋本会長は「そういった声を聞きながら、できる限りの対応をしっかりやっていきたいと思う」と答えている。

「開幕当初の選手村ではトラブルが付き物だが、ちょっと不安になってきた」橋本会長の会見に元JOC職員が懸念
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 元JOC職員でスポーツコンサルタントの春日良一氏は「私は日本選手団の本部員として3大会に参加しているが、選手村でのトラブルというのは、始まったばかりはやっぱりある。私は渉外担当として組織委員会や選手村の村長、その下のアドミニストレーションスタッフと交渉して、足りないものを揃えたり、狭い部屋を大きい部屋に替えてもらったりということをやっていた。

 ちょっと古い話で恐縮だが、例えば初めて選手村の建物がマンションタイプになった1988年のソウルオリンピックでは、本部のトイレが毎日“噴水”状態。直してもらっても、1日経つとまたバーっとなって大騒ぎで、書類もびしょ濡れになった。そういった問題を解決する中で学んで行って、終わった時に完成してるみたいなイメージはある」と説明。

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 一方「私が交渉役だった時は2週間、1カ月くらい前に現地に入って選手村を見て、足りないものを揃えてもらったりしていたが、今回はコロナがあってメディアも入れた見学会なども含め、機会が少なかったのかも知れない。いわばぶっつけ本番だったので、文句が出ているのかもしれない。それでも選手村の部屋にテレビや冷蔵庫があったことはない。本部や娯楽室に置いてあって、テレビが見たいやつは見に来いよという感じだった。

 とはいえ、私はもっとちゃんとやっていると思っていた。日本のスポーツ界は、国際大会があるときは24時間体制で必死に頑張ってきた。だからこそ、バッハ会長も褒めていたし、組織委員会は上手くやっていると信頼しきっていた。しかし蓋を開けてこうなると、え、違うのか?と。組織委員会を信じて守ってきたつもりだったが、ちょっと不安になってきている。例えば橋本さんの会見でメディアが文句を言った。しかし選手団が直接言っているわけではないから、あの場でまともに受けて“ちゃんと揃えます”という必要は無かったと思う。橋本さんは性格が良い人だからあのように答えてしまったのだろうが、本来であればロシアのオリンピック委員会と選手団が欲しいもののリストを作って要望するのが手順だ。“これはロシア側のミスではないか”と、突っぱねて良かった」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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