自宅療養中に容体急変「入院できていなかったら危なかった」 政府の“自宅療養”方針に元患者「他人事とは思えない」
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 新型コロナウイルスの感染者について、2日に出された重傷者および重症リスクが高い人以外は原則自宅療養とする政府方針が、野党だけでなく与党も反発するなど波紋を呼んでいる。

【映像】自宅療養中に急変…元患者語る“在宅リスク”

 4日夕方、自民党は「党として受け入れられない」として、政府に撤回を申し入れる方針を固めた。会見で撤回への考えを問われた菅総理は、「撤回ということではなくて、しっかり説明するようにということだ。いずれにしろ、今回の措置というのは、必要な医療を受けられるようにするための措置である」と否定した。

 Twitterでは「入院と自宅の線はどこで引くんだろう」「ちゃんと隔離できるのかな。家庭内感染が拡がりそう」「急に悪化することを考えると怖い」といった不安の声があがっている。

 自宅療養となった場合、どう対応すればいいのか。自宅療養を経験した当事者と考える。

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 7月12日に新型コロナへの感染が判明し、自宅療養中に症状が悪化。肺炎で入院し、29日に退院したもふりんさん(31歳・基礎疾患なし)。政府の方針転換について、「僕の頃はまだギリギリ、きっと僕ぐらいのレベルでも入院できるような状態だったと思う。これから先、僕のような症状の人がすぐ入院できない可能性があると思うと、それはすごく恐ろしいことだと思う」と話す。

 もふりんさんは10日夕方に発熱と倦怠感の症状が出ると、13日には熱が39度以上に上昇、15日には息苦しさも出てきたという。そういった症状を都の自宅療養者フォローアップセンターに相談し、入院するに至った。

 「15日頃にもう熱も下がらないし、息苦しさも出てきた。夜、寝ていて急に息が苦しくなって、身体がピクピクと痙攣して目が覚めるみたいなことが頻繁に起こり始めた。この日にフォローアップセンターの方に『症状がよくならないので、入院をしたい』と自分の方から伝えて、そこで『わかった。これから調整に入る』ということになり、その2日後に入院できた」

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 厚労省「治療の手引き」では、息切れや肺炎を発症している場合は中等症1、酸素投与が必要な場合は中等症2に分類される。もふりんさんの入院時の症状は中等症1だというが、今回の政府の方針では入院できなかった可能性がある。

 「僕の場合は肺炎の大きさの割に比較的、酸素飽和度が安定していたので、最初は酸素投与をしていなかった。途中で90を切るような数字が出るようになってしまって、その時に酸素投与をしようとなった。本当に一時期だけ酸素投与をしたので、ギリギリ中等症1。ちょっと中等症2に足を踏み入れたような感じの症状だったと思う。ただ、医師の方には『入院できていなかったら危なかった。命を落とす危険があった』と言われた。だから、僕のような症状の人がこれから自宅療養で放置されるとなるとすごく怖い。他人事とは思えない」

 自宅療養時はどのような支援が受けられるのか。食料面については、「東京だとフォローアップセンターが食料配送サービスをやっていて、申し込んで3日間ぐらい時間はかかるが、1週間分の食料をまとめてダンボール3箱分ぐらいで運んでくれる。カップ麺とかレトルトとか、そのまま食べれるようなものとかがたくさん入っている。食料配送サービスのお金は基本的にかからない」と説明。

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 医療面については、「入院代も一応国が負担してくれるということで、かからなかった。僕が負担したのは、入院していた病院の衣服、パジャマのレンタル代。それだけはちょっとかかってしまったが、入院費自体はかからなかった」とした。

 今猛威を奮っているのは、感染力が強いといわれるデルタ株で、もはや感染は他人事ではない。今後、自宅療養しなければならなくなった時に必要な備えについて、もふりんさんは自身の体験から次のように語った。

 「僕の場合は数日の間、高熱に苦しめられたので、まず体を冷やすための氷枕。これはなかったので、友人に買ってもらった。あとは、スポーツドリンクなど十分な水分。食べ物に関しても、自分では外に絶対出られないので、多く蓄えておくに越したことはないと思った。あとは、解熱剤。僕は保健所づてでお医者さんにアセトアミノフェンを処方してもらったが、そういう解熱剤も十分用意しておくべきかなと。パルスオキシメーターは東京都からお借りしたが、届くまでに3日ぐらい時間がかかる。その間に容態が急変したりとか、酸素飽和度が下がって入院を早く検討しないといけないという可能性も十分にあり得るので、なかなか手に入りづらいものかもしれないが、持っておいたらいいなと思った」

(『ABEMA Prime』より)

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