“毒のないフグの肝”を食べられる日が、また一歩、遠のいた。無毒化した肝の食用解禁を求める佐賀県の要請に対し、国が「安全確認できない」として事実上却下したのだ。
 佐賀県が取り組んでいたのは、トラフグの肝の無毒化。冬の絶品であるトラフグだが、その肝には青酸カリの1千倍の毒性があるテトロドトキシンが含有されている。しかし、この毒はトラフグ自らが作り出すのではなく、有毒性のヒトデや貝などを食べることでトラフグの体内に蓄積されるものだといわれており、無毒のエサを与えて養殖すれば肝の無毒化ができるのではないか、という目論見だった。