現在公開中のドキュメンタリー映画『獄友』。登場するのは、いわれなき無実の罪、"冤罪"を訴えながらも、殺人犯として人生の大半を獄中で過ごしてきた人たちだ。
「冤罪を背負うって、本当に辛い。でもそこから解放された喜びを少しでも多くの仲間に伝えたい」。そう話す桜井昌司さん(71)も、茨城県利根町で大工の男性が殺害された「布川事件」(1967年)の冤罪で人生を奪われた一人だ。
事件当時、有力な手がかりを掴めず捜査が難航したことから、警察は現場付近の前科者などを対象にアリバイを追及。そして目をつけたのが、不良だった桜井さん(当時20歳)と杉山卓男さん(当時21歳)だった。警察は"アリバイがはっきりしない"として、2人を別件の窃盗容疑などで逮捕した。