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 2011年に台湾で公開され、ほぼ無名のキャスト、新人監督の作品でありながら200万人を動員し、空前の大ヒットとなった青春映画『あの頃、君を追いかけた』が、日本に舞台を移し、10月5日から公開される。主演の水島浩介役を務めたのは俳優の山田裕貴、ヒロインの早瀬真愛役には乃木坂46齋藤飛鳥が抜擢され、そのほか初々しい旬の若手俳優のキャスティングが注目を集めている。メガホンを握ったのは『ホワイトアウト』や『亡国のイージス』の脚本で知られる長谷川康夫監督。21年ぶりの映画監督作品となることでも話題だ。

 主演の山田裕貴は「この作品を面白くできなかったら僕のせいだ」と語るほど、この映画にかける思いが強い。そんな山田に、作品への情熱、自身の初恋のエピソードまで、直撃した。

「この映画は俳優としての第二ステージ」山田裕貴が作品にかける熱い想い

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――台湾で大ヒットした作品のリメイクということや、山田さんの体当たりの演技が話題になっています。どのような気持ちで役に臨んだか教えてください。

去年は出演映画の公開が12作品ありました。うれしい反面、見てもらえない悔しさや知ってもらえない辛さも何度も味わいました。それは、まだ人を引き付けることのできない自分の無力さだと思っています。だからこそ、この映画は僕の俳優人生の分岐点にしようと思って挑みました。今まで主演というチャンスがなかなか訪れなかったので、この大きなチャンスを絶対につかみたい!そういう気持ちで演じています。オリジナルは台湾の人口の10分の1の人たちが見たという大ヒット作品。絶対に面白いに決まっているし、もしこれを面白くできなかったら僕のせいです!

――俳優としてのステップとなる作品と捉えていますか?

この映画は俳優としての第二ステージだと思っています。18歳で芝居をスタートして、エキストラの時期も含めて10年。28歳の誕生日を迎えて初めて公開される映画です。俳優としてこれまで悔しい思いもたくさんしてきたので、このチャンスをつかむことが現状打破のきっかけになると思っています。

――特別な思いのある作品ですね。これまでにないような役作りを行いましたか?

坊主にするとか裸になるとか、ニュースにしてもらいましたが、そんなことはなんともないんですよね。拳法をやっている主人公だから、当たり前に練習しましたし。高校生の体に見えるようになるべく体重を落としてリアルな高校生の体を目指しましたが、それも役を演じるうえでは当然のことです。しいて言えば、一番の役作りは四六時中、水島浩介のことを考えていたことだと思います。「こいつ、どう思ってるんだろう」「話ができたらわかるのにな」って。カメラが回っていないときも、現場を離れているときも、この作品のことをずっと考えていました。

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――同級生の仲間たちのキャストの中では最年長でしたね。座長としてどのようなふるまいを心掛けましたか?

これまでいろんな座長の姿を見てきました。たくさんの人の姿を見てきた経験を活かして、みんなのいいところを集めた理想の座長になろうと思いました。

――山田さんの考える理想の座長とは?

映画が終わった時にみんなが楽しかったと言って、これから俳優として頑張りたいと思えること。なおかつたくさんの人に見てもらって、関わった全員が報われる作品になってほしいということを考えて動いていました。芸人を辞めて初めての俳優の仕事がこの作品になるという子がいたり、ヒロインの齋藤飛鳥ちゃんは映画初出演ということで不安がたくさんあっただろうと思います。心細いだろうから、その気持ちを吹っ飛ばすくらい楽しい現場になるように意識しました。

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――監督との印象的なエピソードはありますか?

みんなが面白くなるように、台詞の相談はかなりしました。めちゃくちゃ採用してくれて、僕のセリフの中にも、監督に相談して加えてもらったものがあります。

――斎藤さんの演技を受けてどう感じましたか?

ものすごく表情が素敵だと思ったシーンがあります。真愛のいろんな思いが伝わってくる表情でした。小手先の余計な演技はせずに、無駄をそぎ落としたピュアな演技をしているからこそ伝わる部分があるんですよね。今後、ほかの役も見てみたくなりました。

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「手をつなぐのにも4カ月かかった」 チキンだった初恋の話も告白

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――青春のほろにがさが印象的な映画です。斎藤さんが作品の途中、ポニーテールにしたところで男子が盛り上がるシーンは可愛かったです。やっぱり男子はポニーテールが好きなんでしょうか?

ポニーテールにしたとき、浩介はめちゃくちゃ感動したと思います。プロデューサーがよく「おじさんが作った青春ほろにが映画」って話をしていたんですけど、大人の人たちはポニーテールが大好きらしいんですよ。

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――山田さんご自身はポニーテールは好きですか?

好き嫌いでは無く、僕はその人に似合っていれば、なんでもステキだと思うタイプなので。彼女に髪形を変えてほしいとお願いしたこともないですしね。

――ちなみに好きな髪形は?

僕は…どんな髪形だろうが見た目では判断してなくてですね。えっと、僕は内面を見るよってことを書いておいてください(笑)。

――ちょっとたどたどしくなっちゃいましたね(笑)。本作では主人公・浩介の初恋を描いています。山田さんご自身の初恋の思い出は?

本当にちゃんと初恋だと思ったのは中2のころです。僕、当時野球しかしてなかったので女子に対してめちゃくちゃチキンだったんですよ。女の子が喜ぶこととかわからなくて。好きな子と『世界の中心で愛を叫ぶ』を見に行ったんですけど、手をつなぐこともできず……。1カ月もたたないうちに、「これじゃ友達と同じだ」って振られちゃったんです。

――切ないですね。

でも振られてからも5回くらい告白したんです。最終的に付き合うことになったんですけど、その年のクリスマスの前日に振らました。やっぱりチキンが治らなくて、手をつなぐのにも4カ月かかったんです。それが原因だったみたいですね。ホントにチキンだったなあ。

――素敵な思い出です。映画の中での切ない演技、体当たりの演技も楽しみにしていますね!ありがとうございました!

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ストーリー

 10年前ー。水島浩介は、クラスメイトの仲間たちとつるんではバカなことばかりをし、さしたる夢や目標も分からぬまま、お気楽な高校生活を送っていた。浩介の態度に激怒した教師が、クラス一の優等生・早瀬真愛を浩介のお目付け役に任命するまでは。真面目でお堅い真愛を疎ましく思う反面、胸がザワつき始める浩介。彼と仲間たちにとって、彼女は中学時代からの憧れだったのだ。やがて、教科書を忘れた真愛のピンチを浩介が救ったことで、2人の距離は一気に縮まっていく…。

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10月5日(金) TOHOシネマズ日比谷他全国ロードショー(配給:キノフィルムズ)

(c)『あの頃、君を追いかけた』フィルムパートナーズ

テキスト:氏家裕子

写真:mayuko yamaguchi

映画『あの頃、君を追いかけた』公式サイト
映画『あの頃、君を追いかけた』公式サイト
2018年10月5日(金)全国ロードショー|主演:山田裕貴、ヒロイン:齋藤飛鳥|空前のヒットなった台湾映画『あの頃、君を追いかけた』が舞台を日本に移し、旬の若手俳優たちにより新たな物語として生まれ変わる
anokoro-kimio.jp
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