多摩川氾濫の一方で…堤防決壊も“報道されない”秋川を取材 “異例が常態化”する懸念
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 多摩川最大の支流と言われる、東京・あきる野市を流れる秋川。台風19号による大雨で水位が上がる多摩川の状況が注目されていた12日、秋川でも堤防が決壊し氾濫被害が発生していた。

 当日撮影された動画に映る、今にも道路へ押し寄せようとする濁流。また、川の水が氾濫したところでは、地盤がえぐれ車や住宅が流されそうになるなど、いたる所でその爪痕が残っている。

多摩川氾濫の一方で…堤防決壊も“報道されない”秋川を取材 “異例が常態化”する懸念
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 堤防の決壊は数十メートルに及び、現場では懸命な復旧作業が行われていた。秋川の水位は15日午前もまだ高い状態で、地元の住民からは「(普段)あんまり水ないんだよね。昔はそこそこあったけど。びっくりした。すごい台風だったということ」「あれだけ穏やかな秋川がこのような被害をもたらすなんて驚き。考えられない」と不安の声が聞かれた。

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 今回の台風19号で決壊した河川は、合計52河川で73カ所(15日15時時点)。BuzzFeed Japan記者の神庭亮介氏は「すごく大きな台風が来るということで、事前に注意や避難をするようにかなりアナウンスされていたが、それでもなおこれだけの被害が出ている。温暖化でこうしたスーパー台風が今後増えてくるという話もあり、これまでの“想定外”“未曾有”といった異例の事態が常態化するとしたら、今までとは違う備えが必要になってくる」と懸念を示す。

 また、被害地域が広範囲にわたったことで、すべての被災地の状況が取り上げ切れない可能性もある。先月に千葉県を襲った台風15号も、「千葉県鋸南町の台風被害の報道をしてください。助けが必要です」というSNSの投稿で被害状況が拡散された。一方で今回、増水した川や浸水地域で浮き輪などを使って泳ぐ画像や動画などが投稿された。

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 神庭氏は「前回の教訓が多少なりとも生かされたと思うのは、行政も早めに動いているし、メディアも秋川のように今まで拾えていなかったようなところまで行けるようになってきている」とした上で、「“台風バカッター”などと言われるが、衛生的に感染症にかかる懸念もあるので絶対にやめてほしい」とSNS投稿には苦言を呈した。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

動画:濁流押し寄せる秋川、地盤えぐれ傾く家

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