いまや若者のメイン情報源?AIのパーソナライズと人力編成を組み合わせる『LINE NEWS』編集部を直撃
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 先週末の渋谷。学生たちに「10月22日には何が行われる日か?」と尋ねてみると「なんだろう?」(22歳」「天皇誕生日」(22歳)、「えっ?天皇の即位みたいな。祝日があるのは知っていて、周りの人に聞いた」(19歳)、「新しい天皇の即位。大学のスケジュールで即位の日というのがあって、“あっ、そうなんだ”って」(18歳)と、「即位礼正殿の儀」について、何となくは知っている様子。一方、日常的なニュースの情報源について聞いてみると、実に50人中38人が「LINE NEWSを使っている」と回答した。

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 愛知淑徳大学の富樫佳織准教授は最近の大学生のニュース接触について、「Yahoo!ニュースはユーザーの年齢層が高いと聞いていて、学生はほぼLINE NEWSだ。アプリができたからニュースを見なくなった、デジタルになったからニュースを見なくなったということではなく、サービスごとに異なる編成の仕方、届け方をしているので、大学生に合っているものなら大学生はたくさん見る。また、私たちもそうだったが、昼間は学校いるのでテレビは見ることができない。特に学生の場合、アルバイトを終えて帰宅すると、テレビのニュース番組は大体終わっている。そんな中で、LINEのように、同じアプリの中でコミュニケーション、買い物、音楽、ニュースも見られる総合プラットフォームの利用時間は長くなる」と話す。

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 そんなLINE NEWSは全国紙・テレビから様々なジャンルの専門誌・タウン誌など、国内外およそ800もの媒体から集めた記事を配信するサービスで、多くのユーザーを抱えるLINEアプリ内のタブをタップするだけで利用ができるのも強みの一つだ。編集長を務める末弘良雄氏(40)はエンジニアとして「livedoor ニュース」の立ち上げも経験した人物だ。

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 「配信されてくる記事を見ながら面をリアルタイムに更新していくのが仕事」。一日に配信される7000本の記事の中から、目立つ位置に掲載するものはAIと人の手を組み合わせて選んでいる。トップ画面一番上の欄はAIの担当。ユーザーの趣味・嗜好や興味関心に沿ったニュースが並ぶようにしている。一方、 その下の欄は、末弘氏が率いる60人のスタッフが“みんなが知っておくべきニュース”を24時間・3交代制で更新している。「パーソナライズされている情報と、人が選んでいる情報を出すことで、大きなニュースを読んだついでに自分の興味があるニュースも読んでもらってという形でうまく回っていくと良いかなと」。

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 また、LINE NEWSの公式アカウントをLINEで友達に追加すると、朝・昼・夕の1日3回、その日の主要なニュース8本がパッケージされたものが配信されてくる。人が一瞬で理解できるのは13文字が限界と言われていることから、見出しにもこだわる。

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 前出の富樫准教授は「いわゆる“一面”の編成の仕方では、Yahoo!ニュースとスマートニュースはマスメディアに近く、今、みんなが知るべきこと、関心が高いものを主に掲載している。LINE NEWSも編集にはAIも入れているが、知るべきニュースなどは人間がやっている。一方、私が“記事のデリバリー”と呼んでいる部分では、スマートニュースとグノシーはAIを開発しているテクノロジー系のニュースサービスでもあるので、アルゴリズムを使ったパーソナライズが中心。特にグノシーはその人が選んだものをベースに、上に出る記事が選ばれるようになっている。また、LINE NEWSは新聞社や雑誌などの個別のメディアのアカウントを友達登録できるようになっていて、トーク画面の中に友達と並んでニュースを読むこともできるのが特徴だ」。

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 ただ、LINE NEWS以外のアプリを使用しているという華僑マーケターの陳暁夏代氏は「結婚とか離婚とか“すっぴん”みたいな、生活に必要ではないものしか届かないので使っていない、本当にパーソナライズされているのであれば、そういう記事が届くんだっけ?と思う」と指摘する。また、“これが知るべきものだ”としてサービス側が選び、オススメしてきたものだけを消費するだけでなく、能動的に情報を探しに行く、複数の意見を聞いて、深掘りすることがなければいけないのではないか、との見方も少なくない。視聴者からも「パーソナライズ機能は怖い。自分の政治思想と一致したものか配信されなくなると、世界はそれが全てだと勘違いして、真実かウソかを見抜く力が弱まる」との意見が寄せられた。

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 富樫氏は「プッシュ通知で来るものやアルゴリズムで表示されるような情報の世界だけになってしまうことが“フィルターバブル”と呼ばれている。そろそろ次の伝え方を考えなければならない時期だが、実はスマホから全ての情報を取っているかというとそうではなく、家族や友達との会話の中や、友達がリツイートした情報、つまり“人力”の情報もそれなりに入っている可能性もある」と示唆していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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