「“白い粉”“注射器”などのイメージカットは用いるな」ー。著名人による薬物事案が数多く報じられる昨今。3年前に結成された「依存症問題の正しい報道を求めるネットワーク」では、マスメディアが報道する上での留意点をまとめた「薬物報道ガイドライン」を提示している。
 同団体の発起人で、自身も重度のギャンブル依存症だった田中紀子氏は「2016年に有名人の逮捕が続く中、高知東生さんが“捕まえてくれてありがとう。これでやめられると思った”という発言は、私たちにとっては理解できる話。それがメディアでものすごくバッシングされた。そこで依存症の支援者などが連携、団結、さらに薬物報道のあり方についてのガイドラインを作っていこうと、評論家の荻上チキさんが呼びかけてくれたことでできた。確かに薬物に手を出してしまったことは良くないが、“犯罪者”ということがあまりに強調されすぎている。犯罪と回復というのは難しいバランスではあるが、むしろ逮捕をきっかけとして回復の道につながるような報道をしてほしい」と話す。