今月7日、JR新宿駅で駅員に暴行したとして60歳男性が逮捕された。テレビで伝えられた男性の職業は「自称テレビディレクター」だった。この自称報道を受け、実際のテレビディレクターからは「ただでさえ怪しい仕事がさらに怪しくなった」「この自称に悪意すら覚える」など不満の声が上がっている。
 日々のニュースにおいて、わざわざ自称をつけてまで職業を伝える必要はあるのか。かと思えば、「職業不詳」で済ませるケースも散見される。そもそもなぜ、「自称」という形での報道が行われるのか。テレビ朝日の元社会部記者でAbemaTV『Abema的ニュースショー』のプロデューサーを務める羽根哲哉氏は「あなたは誰? となったとき、警察は本人の供述だけで発表しているわけではない。免許証のような公的書類を確認したり、勤務先に問い合わせたりして、嘘を言っていないか確認している。自称がつくのは、それが出来ていないときだ」と説明する。