ヤフー×LINE経営統合 孫正義氏の実情「日本のヤフーには世界に出ていけない弱み」
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 ソフトバンクグループのヤフーと通信アプリ大手のLINEが、経営統合に向けて最終調整していることが13日にわかった。

 検討されているのは、ソフトバンクとLINEの親会社に当たる韓国NAVERが共同出資会社を設立し、ヤフーとLINEを子会社とする案。ソフトバンクはLINEの顧客基盤などを活用したサービスの強化、一方のLINEはソフトバンクからの出資で経営体力を強化する狙いがあるとみられる。両社は今月中にも統合に向けた基本合意を目指しており、実現すれば国内IT業界の最大企業が誕生する見通しだ。

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 ヤフーとLINEではそれぞれ、携帯キャリアやスマホ決済、EC、メディアなど競合部門もあるが、経営統合するメリットはどこにあるのか。ITジャーナリストの石川温氏は「競合しているように見えるが、実際はどちらも強み弱みがある」として次のような見方を示す。

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 「ヤフーのPayPayは圧倒的に営業力が強く、地方のお店でも使えるようになっている。一方のLINEペイは若者が使っていて、割り勘ができるなどコミュニケーション面でメリットがあるが、使えるお店は少ない。この2つが一緒になると、最強のスマホ決済サービスができる可能性もあるのでは。

 LINEモバイルはすでにソフトバンクの傘下に入っているが、ネットで売るLINEモバイル、お店で売るワイモバイルとブランドを分ける方法もあり、ユーザー層に合わせて一緒にしたり分けたりと整理が始まる可能性がある。

 国内のショッピング分野では、圧倒的にAmazonと楽天が強い。それらに対抗するという意味では、LINEショッピングをやめてヤフーショッピングやZOZOに集中していく可能性はあると思う」

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 では、ソフトバンクグループの孫正義社長の狙いはどこにあるのか。『WIRED』日本版編集長の松島倫明氏は「孫さんの行動様式からすると理にかなっている。彼はコングロマリット(複合企業)を作ろうとしていて、あらゆる“お店”を自分たちで持とうと。海外への積極的な投資のスタイルも、孫さんには“勝者総取り”という考えが明快にあって、一番になりそうなところに真っ先にお金を出す。“1億人総取り”という報道もあるが、これからどんどんAIが絡んでくる中で、どれだけいいデータを持っているかですべての勝負が決まる。そこへの布石としてはロジカルなステップだと思う」と指摘する。

 また、石川氏は「ソフトバンクは海外にも出資しているが、最近の決算を見るとことごく失敗していて、海外は苦手だという印象。そういう中で、国内市場を固める、キープするということもあると思う。元々ヤフーはアメリカ発の企業で、そのため日本のヤフーは世界に出ていけないという弱みがある。そこで、まずは日本を強化しようということがポイント」と述べた。

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 これから世界を狙う中で、大きな存在が「GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)」だ。それぞれ時価総額は数十兆円~百数十兆円であるのに対し、ソフトバンクグループは約9兆円、NAVERは約2兆4000億円と大きく水をあけられている。

 この点に関して石川氏は「ソフトバンクは中国のアリババにも出資しており、日本・韓国・中国が一緒になってGAFAと戦う可能性はある。LINEは台湾やタイでも使われていて、ソフトバンクとLINEでアジア展開を広げていくかもしれない」との見方を示した。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

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