菅官房長官 著書で「政府が記録残すのは当然」「それを怠るのは国民への背信行為」
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 「桜を見る会」の招待者名簿が破棄されたシュレッダーについて、使用者履歴が明らかになった。その使用履歴から、不自然な点がいくつもあることがわかってきた。

 名簿の廃棄に使われたのが、内閣府の大型シュレッダーだ。内閣府が28日に提出した使用記録表によると、今年の名簿が廃棄されたのは5月9日で、共産党の宮本徹議員が関連資料を請求した日と重なる。また、作業時間は13時20分から14時45分までで、開始時刻は宮本議員が資料請求した12時からわずか1時間5分後だ。

 内閣府は4月22日にシュレッダーの予約を入れたものの、役所内で使用が重なり順番待ちをしていたため5月9日になったとしている。しかし、実際の使用記録を見てみると、使用時間には隙間があることがわかる。このことから野党は予約表の提出も求めている。

 紙の招待者名簿はシュレッダーで破棄されたが、電子データについても菅官房長官は「復元できない」「技術的にかルール的にかそうしたことは承知していない」と説明している。

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 一般的に企業では、ファイルを共有サーバー上で管理することが多い。その際、ある人がファイルを削除したとしても、すぐに削除されるのではなく「削除領域」に入り、上書きされなければ残り続ける。データ復旧を専門とするアドバンスデザインの瀧伸一副社長によると「文書データのようなデータのサイズが小さいものは、写真などに比べて上書きされる確率が低い」といい、「消去したデータが残っているかや復元できるかは、専門業者が調べればすぐにわかる」と指摘する。

 菅官房長官は2012年、自身の著書『政治家の覚悟』(文藝春秋)の中で、東日本大震災時の会議(民主党政権)の議事録が残っていなかったことについて「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料。その作成を怠ったことは国民への背信行為」と厳しく批判している。

菅官房長官 著書で「政府が記録残すのは当然」「それを怠るのは国民への背信行為」
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 これらを踏まえ、アーサー・ホーランド牧師は「モリカケ問題とダブって見え、未だに都合のいいことは復元できる、都合の悪いことはできないというような、浅はかなレスポンスに感じる」と苦言を呈する。

 また、『覆われているもので現されないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはない』という聖書の一節を引用し、「追求しない限り明らかにならないものはいっぱいある。政治家の人たちにとって透明性を持つことは大切で、それを僕たちがいい意味で見守っておかしいものはおかしいと言える立場にないと、はぐらかされていく。国民は興味を持って見ていくべきだと思う」との考えを述べた。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

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