将棋の順位戦A級6回戦が12月2日に行われ、糸谷哲郎八段(31)が羽生善治九段(49)に87手で勝利し、今期の成績を3勝3敗の五分に戻した。敗れた羽生九段は2勝4敗となり、A級残留への雲行きが怪しくなってきた。
角換わり腰掛け銀の出だしから、早指しが特徴の糸谷八段がどんどん指し進める中、展開の早いペースで進行。優勢に転じると、長考も入れながら粘る羽生九段を一気に押し切った。
順位戦A級から降級するのは下位2人。成績が並んだ場合は、前期の成績を元にした順位が上の棋士が優先される。現在、降級圏内には佐藤天彦九段(31)がいるが、順位は1位のため、追いつかれた棋士はもれなく佐藤天九段より下位になる。羽生九段の順位は2位のため、佐藤天九段以外の棋士であれば優先されるが、下位に3人で並んでしまった場合には、佐藤天九段を上回れず、降級の危機にさらされる。