新型コロナウイルスによる死者が1万5000人を超え、アメリカで最も感染者数が多いニューヨーク州。23日、クオモ州知事は免疫ができている人を確認できる「抗体検査」の結果を発表した。
「我々は19の地域、州内40カ所にわたり、3000人を対象とした調査を行った。調査は食料品店や大型の商業施設などで行い、実に意味のあるものだった。対象は外出している人の中から無作為に選んでいるということだ。13.9%の人に陽性反応が出て、抗体を持っていることがわかった」
ニューヨーク州の人口は1950万人。もし13.9%が感染したとすれば、270万人が感染していたと推定される。これは、現在の感染者数の10倍にあたる数字だ。特に感染が広がっているニューヨーク市内では、抗体を持つ人の割合が2割以上(21.2%)に上っているという。
検査の対象は無作為に選ばれており、抗体が確認された人の多くは、新型コロナウイルスに感染したことに気づかずに回復したとみられている。ニューヨーク州ではさらに、PCR検査と抗体検査を合わせて1日最大4万件の検査を進める予定だ。
一方、日本でも感染の実態を把握するための動きが始まっている。慶応大学病院は、新型コロナウイルスの治療以外で病院に訪れた67人にPCR検査を実施。すると、約6%の4人が陽性と確認され、感染していることに気づいていない人がかなりの数に上る可能性を示す結果となった。
また、厚生労働省は日本赤十字社が持つ血液を使った抗体検査に乗り出した。東京と東北6県の合わせて1000人を対象に、献血に来た人の血液を検査。検査キットの性能評価とともに、感染している人や過去に感染した人の血液にあらわれる抗体の保有率を調べ、特定の地域でどの程度感染が広がっているかを把握するのが目的としている。本人の同意を得た上だが、本人に結果は通知されない。
もし自分の体内に抗体があれば、新型コロナウイルスに再び感染することはないのか。国際医療福祉大学主任教授の松本哲哉氏は「このウイルスの場合は、ずっと長い間体の中にとどまっていたり、場合によっては症状も出ることがあると考えると、抗体があるから感染を起こさないとはっきりは断言できない」としている。
(ABEMA/『けやきヒルズ』より)