「いま黒川氏に会えるのは特権。ただの接待ではなく記事に」黒川検事長“賭けマージャン”同席記者に苦言
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 東京高検の黒川弘務検事長が、法務・検察当局の内部調査に対し“賭け麻雀”をした事実を認めていることがわかった。黒川検事長は辞任の意向を固めたという。

【映像】黒川検事長に“賭け麻雀”疑惑

 黒川検事長の賭け麻雀疑惑は20日に『週刊文春デジタル』が報じた。緊急事態宣言で外出自粛が求められていた5月1日と13日の2度にわたり、黒川検事長は産経新聞の記者2人や朝日新聞の元記者1人と都内で賭け麻雀をしていたという。

 賭け麻雀は「賭博罪」に当たる。報道が事実だとすれば、法の下で不正を追及し起訴する立場にありながら、黒川検事長は自ら法を犯していたことになる。

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 朝日新聞は東京本社に勤務する50代の男性社員が麻雀に参加していたことを認めた上で、「勤務時間外の社員の個人的行動ではありますが、不要不急の外出を控えるよう呼びかけられている状況下でもあり、極めて不適切な行為でお詫びします。金銭を賭けていたかは調査中です」とコメント。

 産経新聞は社員が参加したかどうかは明らかにせず、「そうした行為があった場合には、取材源秘匿の原則を守りつつ、社内規定にのっとって適切に対処してまいります」との見解のみを示した。

 一方、黒川検事長を知る元記者は、自身は麻雀をやったことがないとした上で、黒川検事長の人柄について「多くの検察官が記者と距離を置きたがる中、駆け出しでも分け隔てなく丁寧に接する珍しい検察官。『私は黒川さんと近い』と思っている記者はたくさんいると思う」と話している。

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 突如浮上した、黒川検事長の疑惑。毎日新聞の元記者でノンフィクションライターの石戸諭氏は「朝日新聞が出した『自粛期間中に不適切だった』というコメントではだめだと思う。最大の争点は、自粛期間かどうかではなく賭け麻雀をやっていたということ。賭け麻雀は刑法に当たる可能性があるわけで、このご時世に新聞記者と検察官が賭け麻雀をやっていたと報道されるのはアウトだと思う。辞任は不可避だ」との見方を示す。

 また、産経新聞と朝日新聞は社内調査をまず行うべきだと指摘。「関係者が社内にいるのだから、すぐに取材して明らかにすべき。両紙とも『週刊文春によると』という報道の仕方をしているが、自社の記者にきちんと聴き取りをして、自社のソースとして書かないと。このような書き方はメディア側の信頼を毀損する行為だと思っている」と苦言を呈した。

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 黒川検事長をめぐっては、1月末に半年の定年延長が閣議決定され、直近では検察庁法改正案への抗議、今国会での成立見送りなどが大きな話題となっている。石戸氏によれば、新聞記者が取材対象者と親密になるのは大事なことである一方、そこから「結果を出す」のが記者にとって最も大事なことだという。「いろいろなトピックがあるこのご時世に、黒川さんに接近できる、直接会うことができるのはすごい特権だ。賭け麻雀は当然いけないことだが、ここで本人が何を言ったか、何を思っているかを産経新聞や朝日新聞が報じていれば、それは筋が通る部分はあっただろう。ただの接待や遊びで、犯罪行為が伴う行為は許されない」と述べた。

 黒川検事長の定年延長を閣議決定した政府へは、任命責任を問う声もある。この点については、「賭け麻雀は、黒川さんだけでなく他の誰がやってもだめなこと。ただ、彼は疑惑の当事者なので、余計に周囲の目は厳しくなる。政権にも大きな打撃だろう」とした。

ABEMA/『けやきヒルズ』より)

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