「コロナとテレビがある限り負けない」都知事選、小池氏圧勝の要因は“顔の上半分”にあり? 臨床心理士が分析
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 5日に投開票が行われた東京都知事選で、投票率が前回より5ポイント低い55%となった中、歴代2番目の366万票を集める圧勝で再選を果たした小池都知事。

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 インターネットを通じた会見では第2期に向け、「普通だと万歳をするが、まだコロナ禍の真っただ中で万歳という気持ちになりにくい。これからも緊張感を持って非常に厳しい状況にあるこのコロナに対応したい」と、まずは感染第2波に備える補正予算に取り組むことを明らかにした。

 小池都知事の再選を心理分析すると、「(候補者が同じであれば)コロナとテレビがある限り小池氏は何回やっても負けない」という。臨床心理士で心理カウンセラーも務める明星大学准教授の藤井靖氏は、「論理的判断」と「印象的判断」の2つの観点から話す。

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 「選挙で有権者が投票先を選ぶ時はまず論理的判断、つまり頭で考えると思う。いろいろな調査を見ると、今はコロナ対策が一番大事だと答えている人が多く、築地市場の移転や東京五輪、待機児童の問題など小池都政で注目されていることの重要度や関心度が、今は相対的に下がっている。

 政治家の評価をする上で重要な2016年度の公約も達成度は不十分だが、知事を変えることによってコロナ対策の継続性が失われたり、遅れることによって何か都民に不利益が生じるといった“損をする”部分を重要視してしまうことは起こりやすくなっていた。

 また人が物事を判断する時、印象での判断が行動に大きく影響を与える。特に選挙の場合、小池氏は発信力に優れているという評価を受けているが、実際、特にテレビを通じて自分のパフォーマンスを効果的に伝えることに長けていると思う。

 表情でいうと、人は顔の上半分から怒りや不安など感情の不安定性を読み取っているとされるが、小池氏の会見などを見ていると頭のブレや目線、眉間が安定していて、他の候補者を見ても大きく異なる。小池氏が意識的にやっているというよりも、キャスターなどこれまでの人生で培ってきたものが自然と出ているように思う。

 一方、顔の下半分は楽しさや親しみやすさといった情動を反映するとされる。政治家は支持を得るために真面目さと親しみやすさの両方を有権者に伝えていかなければいけないが、小池氏の場合はビジュアルでリーダーシップと人当たりという質の異なる双方の印象が伝わる結果になっている。笑っているけど目が笑っていないというのは、一般的にはネガティブな表現で使われるが、政治家としては票につながる表情の作り方ではないか」

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 また藤井氏は、今回の選挙で“弱者支援”が争点にならなかったことを指摘。「コロナで被害を受けた方や貧困、DVを受けている人、障害を持っている方、学生への支援といったことは重要だが、そこには注目が集まりにくかった。弱者への共感は小池氏のウィークポイントだと思うが、そこが今回コロナで注目されなかったのは残念に思う」と述べた。

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

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