“アベノマスク”さらに8000万枚配布は必要? 介護施設からは戸惑いの声「利用者100人以上いても20枚」
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 政府が配布を始めた通称「アベノマスク」の残り約8000万枚を、介護施設や保育所などへ配布していくことがわかった。店頭のマスク不足も解消されつつある中、実際に現場では必要とされているのか。

【映像】アベノマスクさらに8000万枚に介護現場は

 政府が新型コロナウイルスの感染防止策として、総額約466億円の予算で始めた全世帯向けのマスク配布事業。すでに全戸向けの配布は6月に終わっているが、「今後さらにおよそ8000万枚を配布する」というニュースが報道された。

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 この報道に女優の小泉今日子はTwitterで「ちょっ、ちょっと!」とコメント。また、立憲民主党の蓮舫参院議員は「へ????」「国会を開こう。安倍政権、やりたい放題です。今こそ、行政監視が必要です」とツイートした。

 さらに、ネットでは「税金の無駄遣いはやめて欲しい。更に8千万枚って、、今はもうマスクじゃなく第二波に備えて医療関連のテコ入れでしょ。現場に必要なのは」「またマスク不足になった時のために備蓄しとけばいいのに」「配り終えた頃に冬の大流行が始まるから丁度いいよ。またマスクなくなるしね」と賛否両論の声もあがっている。

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 そうした声に菅官房長官は、28日午前の会見で「これまで介護施設などのすべての職員と利用者を対象に布マスクを3月中旬以降順次配布しているが、介護施設の関係者からはお礼のご連絡を頂いている。布マスクは繰り返し利用できることから相対的にコスト面でも安価であり、またマスク需要の抑制に資すること。高齢者などは重症化するリスクが高いといわれる中で、今後感染拡大の備えという観点から重点的に対策が求められている。その継続配布は有意義であると考える」と述べた。

 厚生労働省によると、介護施設や保育所等向けの布マスク配布は、当初より4月に2000万枚、6月に4000万枚、7月に8000万枚の合計1万4000万枚の計画で、「新たな追加分ではない」という。報道されているマスクの配布については、3月下旬にスタートした配布の第3段で、この8000万枚についてはまだ未配布。政府としては、今月中になんとか配り終えたいということで、今回で配布は終了予定だということだ。

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 では、アベノマスクはまだ本当に必要とされているのか。埼玉県にあるデイサービスを取材した。暮らしネット・えんの小島美里代表理事は「4月くらいまでには何回も何回も届いて、それがいったん終わったが、数日前からまた再開されているようだ。私どもの所は事業所の数が法人の中に多いので、すでに私の知っている限り2カ所に届いている。(1カ所は)高齢者の入居施設で、ここは9人しか利用者がいないがなぜか50枚届いた。(もう1カ所の)利用者が100人を超えるところに20枚届いている。何が根拠なのかわからない枚数が、バラバラに何回も届く。送料どれくらいかかってるのかと。本当にもったいない」と話す。

 また、実際の利用については、「洗うとほつれるし縮むので、小さくて使えない。訪問介護の者たちは複数のお宅に行くので、本来であればこういう時期なので“1軒ずつ使い捨てのものを捨てるように”という指導をしたいところ。(介護施設には)いろいろな方がお見えになるし、まして80代90代の方たち。もし感染されたら大変なことになる方たちを対象にしているわけなので、“余っているから”“介護施設なら喜ぶだろう”といわんばかりというところが、私は非常にいかがかなという気がしている」と疑問を呈した。

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

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