秋場所五日目の幕内の土俵では滅多にお目にかかれない珍しい決まり手が二番も出た。琴恵光と英乃海の一番は英乃海が土俵際で左上手投げを放つも上手が切れてしまい、投げが空振りする形で相手に背中を見せる体勢になったが構わず後ろ向きのままで押し込んだ。決まり手は「後ろもたれ」。幕内では2016年(平成28年)初場所十三日目、豊響が蒼国来に決めて以来、5年ぶりとなった。
【動画】激レアな「後ろもたれ」
珍手と言えば宇良だが、この日は大栄翔の背後につくと自分より15キロ重い162キロの相手を抱え上げて豪快に土俵外へ出した。自身初の「送り吊り出し」は2005年(平成17年)九州場所十日目、横綱朝青龍が安馬に決めて以来で幕内では16年ぶりに出た大技だった。
現在、決まり手は82手あるが(これ以外に「勇み足」や「つきひざ」など5種の勝負結果がある)、1955年の決まり手制定以降、幕内でまだ一度も出ていないのは「掛け反り」「たすき反り」「外たすき反り」「撞木反り」の4つ。「たすき反り」は宇良が十両で決めたことがあるだけにもしかしたら幕内でも見られるかもしれない。
「掛け反り」は相手の差し手の脇に頭を入れ、踏み込んだ足で切り返して相手を後ろに倒すか、外掛けにいきながら自分の体を後ろに反らす技。「たすき反り」は相手の差し手を抱えながらその脇に頭を入れ、もう片方の手で相手の足を内側から取って体を反らせて後ろに倒す。「撞木反り」はこれに似ているが完全に肩の上に相手を担ぎ上げ、そのまま体を反って後方に落とす大技だ。相手の差し手を掴み、もう片方の手で相手の差し手を掴んだ側の足を内側から掬い上げながら後ろに倒すのが「外たすき反り」だ。
たすき反りを除く3技は十両でもいまだ出ていない。いずれも反り手の大技で極めて難易度が高いが、相撲の取り口と怪力ぶりからして反り技を得意とする宇良が幕内第1号の使い手にひょっとしたらなるかもしれず、期待も膨らむ。人気業師の今後の土俵に注目だ。
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