プロ将棋界唯一の団体戦「お~いお茶presents第4回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント決勝が9月18日に行われ、藤井聡太三冠(王位、叡王、棋聖、19)、高見泰地七段(28)、伊藤匠四段(18)の3人によるチーム藤井が優勝を果たした。藤井三冠は個人戦だった第1回、第2回、団体戦に変わった第3回に続き、この第4回大会でも優勝。個人・団体で4連覇を達成した。今年の大会は初のリーダーとしてチームを牽引すると予選、本戦と評判通りの強さを発揮。接戦となった決勝でも、個人で3連勝を果たすなど、優勝に大きく貢献した。試合後には「チームの方のおかげで優勝まで来られました。感謝してもしきれないです」と、チームメイト2人の活躍を称えていた。
【動画】お~いお茶presents第4回ABEMAトーナメントチーム藤井VSチーム木村
チーム藤井は予選、本戦と9本勝負で多くても2敗しかしない盤石の強さを発揮。フィッシャールールであればトップ棋士以上の力を発揮すると言われていた伊藤四段が、その評判に違わぬ強さを見せると、高見七段も予選から尻上がりに調子を上げ、決勝の第8局では優勝を決める勝利を手にした。3人とも、大会が始まる前までは、ほぼ交流もない状態だったが、約半年に渡る長期戦を終えることには、すっかり打ち解けていた。
表彰式で藤井三冠は「高見七段、伊藤四段の力によって、ここまで来られました。感謝しかありません。お二人が雰囲気も高めてくれました」と感謝を繰り返すと、高見七段は「藤井さんにドラフトで選んでいただいたのが、すごくうれしかったです。3人で楽しく過ごすことができました」と目尻を下げた。また、第3回大会を奨励会時代に見ていた伊藤四段は「参加できたことに非常にうれしく思いました。控室などでも、将棋の話を楽しくさせていただいて勉強になりました」と、デビューまもなく参加した大舞台での経験を振り返っていた。
個人としては最年少での三冠も達成し、この団体戦でも棋士との交流を深めながら優勝を果たした。まさに充実の時期を過ごした藤井三冠。来年もきっと、さらにたくましいリーダーとなって、この大会に帰ってくる。
◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)