「“妊娠SOS”窓口も紹介して」元女子大生の乳児遺棄報道、支援団体がメディアに訴え
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 公園に赤ちゃんを遺棄した罪で起訴された北井小由里被告の初公判が今月13日、開かれた。

 北井被告は2019年11月、羽田空港の多目的トイレで出産したばかりの赤ちゃんの口にトイレットペーパーを詰め、首を絞めて殺害。その後、東京・港区の公園に赤ちゃんを遺棄したとみられている。

・【映像】被告が遺棄現場に選んだ公園(冒頭〜)

「本当に赤ちゃんに対して申し訳ない気持ちでいっぱいですし、これからは自分のしたこととしっかり向き合って生きていこうと思っています」(北井被告)

 初公判で北井被告は「間違いないです」と起訴内容を認めた。また、事件当時大学生だった北井被告は、自身の妊娠について「誰かに相談する勇気がなかった」と明かしている。

 初公判当日、テレビをはじめとした各メディアで上記のニュースが報じられた中、Twitterでは“ある投稿”が話題になった。

「マスコミの皆さん!!赤ちゃん遺棄事件について報道する時は、同時に全国妊娠SOSネットワークを紹介してください!!!」

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 事件のニュースと共に、妊娠に悩む女性たちの相談窓口を伝えてほしい――。メディアに向けて訴えたツイートに大きな注目が集まった。

 ニュース番組『ABEMAヒルズ』では、このツイートを投稿した特定非営利活動法人「キミノトナリ」の代表理事である東田美香さんを取材。ツイートの裏には「同じ悲劇を繰り返したくない」という東田さんの強い思いがあった。

「ただ『こういう悪いことをしました』という報道において、ある程度はしょうがないと思っています。でも報道と一緒に『“妊娠SOS”という窓口があるんだよ』と同時に周知していただければ、二度とこのような悲劇が繰り返さないために、同じような悩みを抱えた人にとって良いきっかけになるんじゃないかなと思い、とっさにツイートしました」(以下・東田さん)

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  特定非営利活動法人「キミノトナリ」では、思いがけない妊娠に悩む女性の相談・支援を行ったり、小中学生に向けた性教育の授業を行ったりなど、多岐に渡る活動を展開している。

「(相談者は)下は中学生から、上は40代まで。一番多いのは『生理が遅れてるんです』という段階でご相談があります。また、お母さんから『娘が妊娠したんですけど』とご連絡があったり、男性から『彼女が妊娠したかもしれません』とご相談されたりします」

 誰にも話すことができない、産みたいけど育てるお金がない――日々、寄せられる悩みの声。ひとりひとりと向き合い、活動を行う中、東田さんは「性教育の授業が大切です」と語る。

「性教育をやるか、やらないか。学校の校長先生の裁量で(方針が)割と決まってしまうところがあります。ご理解のない校長先生だと『寝た子を起こすのか』といった感じで『性教育なんてしません』と言われます。性教育をやる学校とやらない学校が混在していて、これが学校現場の現状なんです。性教育は国語、算数、理科、社会より大切じゃないですか? 『大人になって自分で知ってね』みたいなことは教育の放棄ですし、本当はそういうことをしてはいけないと思います」

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 SNSで発せられたメディアへの訴え。東田さんは今改めて、伝えたいことがあるという。

「妊娠は女性ひとりではできません。男性は射精した瞬間で終わりなんです。ところが女性は妊娠したら、10か月近く、お腹の中に赤ちゃんがいます。その間もかなりのリスクがあります。でも、報道は『母親が〜』といった言い方をする。方向性次第で、人を追い詰めることも、救うこともある。今回、たまたま私のツイートがバズりましたが、これはぜひ報道関係の方には内省していただきたいですし、考えていただきたいと思います」

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 最後に、今同じような状況に悩む女性に向けて、東田さんは「必ず助けてくれる人はいる」と呼びかける。

「妊娠の経過がどういうことであれ、絶対に助けてくれる人はいます。悩んだときは妊娠SOSの窓口に連絡を取ってみていただきたいなと思います」 (『ABEMAヒルズ』より)

▼ 全国「にんしんSOS相談窓口」一覧
https://zenninnet-sos.org/contact-list
※窓口名をクリックすると、連絡先や開設時間が載っています。

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【映像】元女子大生が出産した羽田空港のトイレ(冒頭〜)
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