ステーキの上にステーキが重なっているこの写真。広島にある金属部品メーカー「キャステム」の社員がTwitterに投稿した1枚だ。
確かにおいしそうな肉の画像だが、なぜか約9万の“いいね”が寄せられている。『ABEMA Morning』は、キャステムの社員食堂のシェフ・森下由教さんに話を聞いた。
「仕事をしていると、お昼ご飯が楽しみの1つになってくるじゃないですか。『チャレンジデー』というのは月に1度やっていまして」
キャステムの社員が心待ちにしている月1回のワクワクイベント「チャレンジデー」。なんと、170円で社食が食べ放題だという。Twitterに投稿されたのは、その時の1枚だった。
写真を投稿したキャステムの池田真一さんは「すごくモチベーションにつながっています。ステーキの時は2、3枚取りましたよ。おいしいとどうしても食べちゃうんですけど、体重も増えていったりするので、“戦い”もありながらやっています」と話す。
食堂を利用する社員は約180人。ステーキが食べ放題の日は、肉を50キロ、米は12升も準備しなければいけないため、シェフは大忙しだ。
メニューは当日までシェフ以外知らない、社内でもトップシークレット案件。これまではステーキのほか、うなぎやサーモンといくらの親子丼、さらにマリトッツォまで食べ放題だった。ただ、やや心配なのは経費だ。
「一番原価が高かったのが、瀬戸内海で取れた国産うなぎを漁師から買い取って、白焼きにして、綺麗にタレも作って焼いて、骨せんべいとかもいろいろ作ったりして。その時はさすがにやりすぎだと言われました（笑）。僕にとって社員食堂って、全身全霊をぶつけられる場所ですかね」（シェフの森下さん）
今月のスペシャルデーは敬老の日。豪華な「ちらし寿司」がテーブルを彩った。65歳以上の人には王冠をかぶってもらい、一気にお祝いムード。ちらし寿司にカレーをかけたり、食べ放題ならではのアレンジをする社員の方もいるそうだ。普段は熱い工場の中で働く人々も、食堂ではおいしいごはんとともに笑顔が絶えない。
キャステムグループの戸田拓夫社長は「モチベーションがやっぱりあがるし、みんな昼が楽しみになって。そんな社員食堂を目指していました」と明かした。
なお、キャステムの社員食堂は委託業者ではなく、シェフも社員。「同じ釜の飯を食べる」というコンセプトで、シェフ自身も楽しみながら社員に食べてもらえるようメニューを考えているという。
価格は普段から170円と破格。ちなみに、社員食堂ができるまでは近くのコンビニが繁盛していたが、食堂ができた途端に社員は行かなくなったという。コンビニからは「何かやらかしました？」と心配の声もあったということだ。
（『ABEMA Morning』より）
