個人戦ベスト4渡部愛女流三段、超早指しは「慣らしておかないと大変」ドラフト指名は地域にポイント/将棋・女流ABEMAトーナメント
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 超早指しの緊張が、じわじわと指に戻ってきた。女流による早指し団体戦「第2回女流ABEMAトーナメント」にリーダーの一人として参戦する渡部愛女流三段は、個人戦だった第1回大会のベスト4。女流の中では十分に実績がある方だが「練習をして慣らしておかないと大変なことになります」と、その独特なルールへの対応を重視した。一方、初となるドラフト会議には「イメージは作っているんですけど、結構かぶりそうじゃないかなという心配もあったり…」と、やや困り顔。果たして希望通りのチームが組めるだろうか。

【動画】ドラフト直前 渡部愛女流三段インタビュー

 男性棋士による大会では、聞き手も務めた経験があり、自身の対局経験と合わせてその興奮と難しさの両方を心得ている。思わず声を張ってしまったことを思い出し「反応してしまうこともあったんですが、対局の時は静かにやりたいです」と、少し恥ずかしそうに笑った。「スピーディーな決断力が求められる将棋だと思うので、私自身も気を引き締めてやりたいと思います」と、リーダーである前に、まず自分の対局を充実させることに重きを置いた。

 練習将棋も含めて、なかなかこの持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算というルールでは、指す機会が少ない。「普段やらない時間なので、持ち時間の使い方が大事です」と、自分で増減をコントロールするフィッシャー独特の感覚を思い出した。勝負どころでの1分を作るために、序盤の2秒でも3秒でも貯められるところは貯めておく。これが男性棋士で個人、団体含め計4回、女流で1回行われた大会で見られる定跡だ。

 他のリーダーから指名候補に悩む声も多かった中、割とあっさりとテーマを決めた。地域性だ。「一度、3人で10年以上に集まったことがあって、再び集まれたらと楽しみにしています。3人で集まるのはなかなかないので、楽しくお話がしたいです」と、過去に集ったことのある女流たちであるところまで明かした。それが他のリーダーの指名候補とかぶるかどうか。テーマがはっきりしている分、心配の種はそこだけだ。

 現在は、新設のタイトル・ヒューリック杯白玲戦で、初代白玲となるべく、西山朋佳女流三段と七番勝負の真っ最中。現在は2連敗と押されているが、過去にタイトル獲得経験があり、大舞台にも番勝負にも慣れがある。「女流棋士の対局数もかなり増えたので、勝負の世界では厳しくなると思いますが、純粋に対局数が増えたのはうれしいです」と、対局の場は常に求めている。

 1試合で1人あたり最大3局指せるこの大会。指すほどに切れが増す渡部女流三段が、指名した仲間とともに、どんな順番で対局に向かうのか。「私がリーダーで大丈夫かと不安もあったんですが、出場させていただけるので精一杯頑張ります」と謙虚に答えたが、内に秘めた闘志は熱い。

◆第2回女流ABEMAトーナメント 第1回は個人戦として開催され、第2回から団体戦に。ドラフト会議で6人のリーダー棋士が2人ずつ指名し、3人1組のチームを作る。各チームには監督棋士がつき、対局の合間にアドバイスをもらうことができる。3チームずつ2つのリーグに分かれ総当たり戦を行い、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。チームの対戦は予選、本戦通じて、5本先取の9本勝負で行われる。
ABEMA/将棋チャンネルより)
 

【動画】第2回女流ABEMAトーナメント ドラフト会議
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