9月27日、女性客に自分の体を触らせるなどのわいせつな行為をした疑いで古賀晋一郎容疑者が逮捕された。
【映像】「困っちゃったなー♪」女性客の前で歌う古賀容疑者（動画あり）※冒頭～
「必要以上に髪の毛を触られたりとか、あとは卑猥な発言とか、頻度はどれくらいなのかと。『どういう感じでするの？』とか、こちらが嫌になるような質問をされました」（被害女性の一人）
古賀容疑者が経営する美容室は原宿駅から歩いておよそ5分のところにある。およそ5年前にオープンし、女性客限定をうたって営業していた。
サロンでは、古賀容疑者と客が2人きりになって施術が行われていて、警視庁には、去年10月にも「みだらな言動をされた」と被害の相談が寄せられていた。古賀容疑者は取り調べに対し、容疑を否認しているという。
このニュースに臨床心理士で明星大学心理学部准教授の藤井靖氏は、性犯罪の加害者が持つ「女性への支配欲」に言及。「性犯罪と聞くと、性衝動や性欲の強さに起因した犯行という見方をされがちだ」とした上で、「もちろん性に関する欲求は背景にあるだろうし、 “性癖の歪み”も少なからずあるだろうが、中核的な心理は女性への支配欲だ。さまざまな個人情報を紙に書かせたり、無理難題を押し付けてそれに対応させたりなど、支配欲に基づいた発想が加害者にある。今回もその典型的なケースだ。その他、『自分は何でもできる』というような万能感や、犯行を続けるための合理化（状況や相手の反応を自分に都合よく解釈する）も加害者によく見られる特徴」と話す。
また藤井氏は、犯行のパターンにも言及。
「まず『1：女性が抱く心配を誤解と思わせる関係性を演出する』。具体的には、女性に一人で来店させる、髪を必要以上に触るといったことは当然被害者に違和感を抱かせるが、適当な理由を付けたり、施術料などのメリットを強調することによって『ちょっと変だけど自分にとって得だからしょうがない』、あるいは場合によっては『自分のためにやってくれている。悪意は勘違いかも？』と思わせる」
「その後『2：突然、その場にそぐわないわいせつな言葉を言って、心理的にフリーズ（思考停止）させる』。その状況で加害者は『3：女性に強い拒否的反応がないことを見て、“これは良いんだ”と解釈し、セクハラ行為や性加害を続ける』という３段階のパターンだ。女性は男性に対して恐怖や不安を抱き、自分を守りたいと思っているから、男性と2人きりの場で、強烈に拒否することはできない。女性の『相手を刺激しないで、この場をなんとかやり過ごそう』『被害を小さくしよう』といった、いわば状況の理解や懐柔の意思の現れなのに、加害者は『受け入れてくれている』と判断してしまう」
▼性犯罪の犯行パターン３段階
1：女性が抱く心配を誤解と思わせる関係性を演出する。
２：突然、その場にそぐわないわいせつな言葉を言って、心理的にフリーズ（思考停止）させる。
3：女性に強い拒否的反応がないことを見て、“これは良いんだ”と解釈し、セクハラ行為や性加害を続ける。
「以上のことも踏まえると、被害に遭った女性の心の傷は大きい。身体的被害に比べて精神的影響は目に見えないがゆえに、相対的に軽く扱われる場合もあるが、今後さらに心の被害を定量化する枠組みを強化し、加害者の量刑や賠償にも反映させていくことが求められる」 （『ABEMAヒルズ』より）
