ABEMAの恋愛番組『オオカミ』シリーズに出演し、一躍人気を博したHina、Takiを擁するガールズ・ユニオンのFAKYが、配信シングル「Sayonara My Ex」を8月30日にリリースした。同曲はメンバーそれぞれの過去の恋愛をモチーフに描かれた失恋ソングで、実際にあった体験をもとに制作されたという。FAKYは過去にどんな恋を経験してきたのか―。また、現在配信中の『虹とオオカミには騙されない』に出演しているTaki。後半戦になり恋の矢印も明らかになっていくなかで、前シリーズ(『恋とオオカミには騙されない』)とは違い、追う恋(大平修蔵/しゅうぞう)と追われる恋(西岡星汰/しょうた)で悩むTakiをメンバーはどう見ているのか?話を訊いた。
【動画】Takiの揺れる恋の行方は?『虹とオオカミには騙されない』
レコーディングでも大号泣!過去の恋愛にTaki「あ〜もう思い出したくない(笑)!」
――過去にもFAKYはHinaさんが『月とオオカミちゃんには騙されない』(2020年配信)を通して揺れ動く気持ちを歌にした「half-moon」を発表しましたが、今作はメンバーそれぞれの恋愛の赤裸々な体験談が歌われていて驚きました。どういった経緯でこの「Sayonara My Ex」は作られることになったのでしょうか?
Lil’ Fang: 楽曲のテーマを私とAkinaと制作スタッフで考えていたときに、「メンバーそれぞれが詩を書いたものが欲しいね」となり、Akinaとテーマの相談をしていたんです。そのときに「元彼について歌った曲ってないね」という話題になり、だからこそ、いちリスナーとして「聴きたいね」という思いがわいてきました。
Akina: そうだね。
Lil’ Fang: でも“元彼”とストレートに言ってしまうのもなんだなぁと思っていたときに、Akinaと同じタイミングで「『Sayonara My Ex』だ!」ってアイデアが降ってきたんです。そこからそれぞれに連絡して、歌詞の土台となるものを送ってもらいました。2〜3日経たずしてありえない量の言葉が届いて(笑)。そこからブラッシュアップしていきましたね。
――歌い出しはTakiさんで、浮気された悲しい思い出をイメージしましたが、その解釈で間違ってないですか?
Taki: その通りです。日本に来たすぐ後にその彼とはお別れしました。1年半くらい前かな…。あ〜もう思い出したくない(笑)!
Akina: インタビューだから頑張ろう(笑)。
Taki: そうだね。私が海外に住んでいた頃からすごく長い期間、一緒にいた人です。日本に来ることになって、そこから頑張って遠距離恋愛をしていたんですけど、やっぱり遠距離はお互い辛くて…。そんな中、お相手に“嫌だな”と思うことをされて、お別れしたんです。あ〜、思い出すと今でも泣きそう……。
Lil’ Fang: Takiはレコーディングでも大号泣でしたからね。
――今でも忘れられていないということ?
Taki: その人に対する気持ちはもうないんですけど、やっぱり思い出はあるので…。でも、昔の恋愛を振り返ると、こういうことがあったから今があると思えるし、この人がいたから考え方も変わった部分もあります。感情的にもすごく大きなものをもらいました。でも、同じ状況を経験したら誰でも泣きますよ(笑)!
一同: 笑
――その当時、メンバーには相談していましたか?
Taki: Takiが1番落ち込んでいたときは、よくメンバーと一緒にいました。すごくフォローしてくれてたことを覚えています。
Lil’ Fang: Hinaは別のお仕事でいなかったんですけど、カフェで拘束6時間なんて日もあったからね(笑)。次の日、Takiから「ありがとう」ってスタバのカードを貰いました。そんなTakiが「かわいいなぁ」と思いましたけど(笑)。
Taki: 大人の目線が欲しかったし、「これからどうすればいい?」という意見が聞きたかったんです。その後もHinaお姉ちゃんに話を聞いてもらったりしていましたね。
――その恋愛を通じて、自分が成長できたと思うことはありますか?
Taki: 恋愛の見方が変わりました。以前は、細かいところまで考えられてなかったんですけど、今はそういう細かいところが大事だなと思いますし、相手に対し“安心し過ぎたら良くないこともある”ということも分かりました。大事な人はずっと大切にしなきゃいけないと思うようになりましたね。
――価値観が変わった?
Taki: はい。それと、時間の使い方が変わったと思います。
Lil’ Fang: 人と向き合う時間が長くなったよね。周りとのコミュニケーションを長く、そして丁寧にするようになった印象はありますね。
Akina: 間違いないね。
Hina「2人揃ってすっきり終わる恋愛なんてあるのかな」一方Akinaは「良い思い出しかない(笑)」
――Hinaさんのパートは、かなり切ない気持ちが描かれていると思います。〈恋しなきゃよかったの?〉〈私の想いは/どうすれば良かったの?〉と、誰かに問いかけるような歌詞が印象的でした。
Hina: 私は結構、恋愛が終わると、この歌詞のような感情になることが多いんです。もっと言うと、恋愛だけでなく何に対しても、自分の中ですべての気持ちがフラットにならないと思い出として処理できないタイプなんです。それ故、何に対しても時間がかかるタイプというか。
――疲れたりしませんか?
Hina: そうですね(笑)。でも“2人揃ってすっきり終わる恋愛”ってあんまりなくないですか? 片方が忘れたくない恋愛だったとしても、もうひとりは今すぐ消したい過去なのかもしれないし。
――今回、描かれた歌詞はすっきりした思いで歌われている?
Hina: うーん……(しばし考える)。
Lil’ Fang: Hinaも結構、レコーディングの時、ギリギリだなと映りました。ボーカル録りが終わって、チェックしている間の表情が明らかに、いつもと違う雰囲気だったんです。深めのため息をついているというか。
Hina: そうだったかもね(笑)。でも普段はあまり思っていることを言わないタイプなので、こうやって歌詞にして歌えたことで、消化できた部分は大きかったように思います。
――まさに『月とオオカミちゃんには騙されない』でも聞き上手なHinaさんの姿が描かれていたと思いましたが、聞き上手だからこそ、抱えちゃう部分があるのかなと。
Hina: 自分でも「言えない」わけではないし、「言わないようにしている」わけでもないんですけど、1つ1つの思いを大切にし過ぎていて、消化しきれないというのはあるかもしれないです。今回の歌詞も、最後の最後まで粘って、自分の気持ちをちゃんと言い表せているのか、そのすり合わせはずっとしていました。
――そんな苦労を重ねた上で、完成した歌詞はまさに自分の心を言い表せている内容になった?
Hina: はい。そう思います。
――Takiさん、Hinaさんの流れから打って変わって、Akinaさんのパートは甘酸っぱい恋愛を想起させるというか、非常にフレッシュな印象を受けました。
Akina: そうですね。私のパートは“爽やかセクション”と呼んでいます(笑)。
――2番から一気に印象が変わりますよね。
Akina: 初恋のお話なので、そこまで重くもなく、良い恋愛だった記憶しかないんです……恥ずかしいね、この取材(笑)。
一同: 爆笑
――何歳くらいの思い出なんですか?
Akina: 16歳の頃です。日本に来てからの思い出ですね。
Mikakoの「別れてきた!」あっさり報告にLil’ Fang驚き「私と真逆の恋愛観(笑)」
――そしてMikakoさんは一転、アダルトな雰囲気が漂います。〈お互いの自由のために/別れてくれてありがとう〉という意味深な内容が耳に残りました。
Mikako: 実はこれ、高校生のときの話なんです。
――えっ。そうなんですね。
Mikako: はい。当時、2年間ほど付き合ってた彼との思い出を歌っているんですけど、私は恋愛を人生の軸に置いてなくて。自分のやりたいことを優先させてきたというか、そんな中で、歌詞を書くとなったとき、“だったら自分の恋愛に対する向き合い方を歌おう”と思ったんです。それをLil’ Fangがブラッシュアップしてくれて、この詩が完成しました。その当時、私は芸能界で活動し始めた頃で、活動に集中したい思いがあって、私のわがままで別れを切り出しました。でも、すごく理解のある彼で、怒るどころか私を応援してくれたんです。すごくありがたかったし、そんな意味も込めて“自由をありがとう”と歌いました。
――10代の恋愛とは思えないエピソードですね。ある意味ですごくドライというか。
Lil’ Fang: Mikakoは福岡から上京して、私と一緒に活動するというタイミングで、“どうするのかな?”とは思っていたんです。でもある日「最近どう?」と聞いたら、「うん、別れてきた」とあっけなく言われて、それはすごく覚えています。「私はFAKYのために生きる」と言い切っていて、「この人すごいなぁ…」と思わされましたね。
Mikako: でもその彼も「俺も頑張る」と言って次に向かって行ったんですよ。結局、似た者同士の2人だったんです。そういう相手を選ぶのは、私が恋愛する上で、一貫している部分かもしれないですね。
――Lil’ Fangさんのパートは相手の心変わりを確信したような切ない歌詞だと感じました。
Lil’ Fang: 2年前まで付き合っていた彼との思い出を歌にしたんですけど、これまでの恋愛で1番長い時間を共にした人です。多分、メンバーは“結婚する”と思っていたんじゃないかな。
Mikako: 私は思ってた。
Lil’ Fang: その人と付き合ったことで、私の恋愛観はガラッと変わったんです。10代の頃を振り返ると、恋愛している自分が好きだったように思うんですけど、その人は初めて“たまらなく愛しいと思えた人”なんです。
Mikako: その人と出会ってから、Lil’ Fangの雰囲気も変わったよね。冷静に恋愛を楽しんでいるように見えたし、大人になった印象もあった。そしてLil’ Fangの人間性が、その彼と出会ったことで強く出てきたというか。客観的に見ていて愛されていたから、内側からキラキラしていくのがわかりました。
――それでも終わりを迎えてしまったわけですね。
Lil’ Fang: そうですね。一緒に過ごしていく中で、彼の中の、私の知らない部分が大きくなったことに気付いてしまったんです。どこかで食い違ってしまったと思います。お互い一緒にいたかったけど、このまま一緒にいても出口がないこともわかっていて…一緒に暮らしていたので、別れられなかった時期もありましたし。でも不思議なもので、別れてから少し一緒に住んだいたその時期は、すごく仲が良かったんです。
一同: うわぁぁ…(悲鳴を上げるメンバー)。
Hina: その話、心にくるね……(なぜかダメージを負っているHina)。
――そんな彼とは、気持ちの面で“さよなら”できたのでしょうか?
Lil’ Fang: 実はまだちょっと引きずっています。彼に対する愛情は深かったので…この間、夜中に目が覚めちゃって、部屋でも片付けようとしたら、貰った手紙とかプレゼントとか思い出の数々が出てきて…。夜中に一人で“ひゃー”ってなりました(笑)。ひとつひとつをしっかりと取っていたんだなって……。
――なるほど。Mikakoさんは彼との思い出は取っておくタイプですか?
Mikako: すぐ捨てます(笑)。“ありがとう〜!”って。
一同: 爆笑
Lil’ Fang: 本当にMikakoと私は真逆の恋愛観です(笑)。
Takiの恋模様にメンバーもドキドキ「追いかけられたい!」Hinaのおススメは?
――前回取材させてもらったとき、Takiさんは『恋とオオカミには騙されない』(2021年配信)の収録が終了した直後で、「もう1回、(Hinaに対し)2人で出る?」と冗談で仰ってました。結果、1人での出演でしたが、それでもまさか実現するとは驚きでした。
Taki: 本当に自分でもびっくりしました。うれしかったけど、不安なところもありましたね。でもすごく素敵な冬を経験させてもらったから、美しい夏の思い出も作れることになってうれしかったです。
Lil’ Fang: 今回は、すごく大人なTakiの印象が強いよね。
Taki: ですね。前のシーズンを経験しましたので、そこから大人になりました。
一同: 笑
――前回と今回のメンバーは雰囲気が違いますよね。
Taki: そうですね。今回はひとりひとりの個性がすごく強いので、新しい感覚があります。
――『オオカミ』シリーズの先輩である、HinaさんはTakiさんの再登場にびっくりしましたか?
Hina: 本当にびっくりしました(笑)。でも前回の『オオカミ』に出たことで、FAKYのメンバー以外とコミュニケーションを取ることに慣れたと思うし、今回も楽しんでいる雰囲気がすごく伝わってきます。
――それこそHinaさんのように、今回は追われる恋を経験しています。ライバルも多いしゅうぞうさんへの追う恋と、4つ下のしょうたさんから追われる恋、経験してみていかがですか?
Taki: そうですね。ちょっとだけ、Hinaお姉ちゃんの気持ちが理解できました(笑)。しゅうぞうは本当に魅力的な人で一緒にいると楽しいし、しょうたは何も話さなくても一緒にいるだけで居心地が良いんです。2人とも本当に素敵な人だと思います。
Lil’ Fang: いいなぁ。私も追いかけられたい…。
Mikako: しかも、年下の男の子ね(笑)。
Hina: ちなみに私は今回の方が、よくTakiにアドバイスしています(笑)。
――それは恋のアドバイスということ?
Hina: そうですね(笑)。私はしょうたさんをTakiに勧めてます(笑)。
Taki: さっきもメイク時間に昨日の放送のことを言われちゃいました…(笑)。(取材日前日に配信された第8話では、しゅうぞうへの気持ちが強いことを、Takiから改めて告げられ、しょうたが号泣する場面があった)
――いろんな気持ちを乗り越えてこれから最終回に向かうわけですが、最後に素直な気持ちを伝えられそうですか?
Taki: そうですね。そして、今回こそ幸せに終わりたいと思います。
――ありがとうございます!『虹オオカミ』も楽しみにしています。
■「Sayonara My Ex」
「Sayonara My Ex」:https://avex.lnk.to/SayonaraMyEx
インタビュー・テキスト:中山洋平、撮影:You Ishii
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