先月Twitterに投稿された小学校のPTAに関するツイートが話題を集めている。ツイートに添付された画像を見てみると、上から「私はPTA本部役員を引き受けます」「候補者が誰もいない場合引き受けてもいいです」といった内容が並んでいる。最後に、引き受けられない場合に他の保護者の名前を書く「推薦」があり、ツイートを見た人からは「地獄の3択だ」といった声が相次いで寄せられている。(※画像は投稿主:saya@酒酒酒ェ!!!!!!!!さんより)

【映像】「選択肢が残酷すぎて…」話題になったPTAの推薦用紙(全体画像あり)

 自分でやるか、もしくは誰かを推すか……窮極の選択を迫られるPTAの推薦用紙。本人にやる意思がなくても、自分が推薦されてしまえば、逃げ場がなくなるような状況だ。今、こうしたPTAに関する投稿がSNSで相次いでいるのは、ちょうど来年度のPTAの役員決めが今の時期から年末にかけて行われるからだ。

PTA役員“地獄の3択” 「強制入会」はなぜ生まれる? 専門家「一般会員の立場からも声を上げて」
PTA役員“地獄の3択” 「強制入会」はなぜ生まれる? 専門家「一般会員の立場からも声を上げて」

  一部で報告されている「役員になりましょう」といった無言の圧力を感じるような決め方には、どのように対応するべきなのだろうか。長年、PTA問題を取材し、11月12日に『さよなら、理不尽PTA!~強制をやめる! PTA改革の手引き~』(辰巳出版)を上梓するノンフィクションライターの大塚玲子さんはこう話す。

「これは本当に良くないやり方ですが、よくある事例です。役員をやるつもりもないし、ほかの人の推薦もしたくない、という大半の人たちは、困ってしまいます。そこであきらめて『しょうがない』と、どれかに丸をつけて出す人も多いと思いますが、できれば一歩踏ん張って『おかしいと思います』と一言書いて出してもらいたいです」(以下、大塚玲子さん)

 入会や会費の強制、活動参加への見えない圧力。そもそもPTAとはParent-Teacher Associationの略で、児童を含まない、保護者と教職員で構成される社会教育関係団体といわれている。戦後、日本で開始されたPTAは、本来入会・退会が自由な任意団体であり、参加は強制ではない。なぜ、日本では強制だと思ってしまう人が多いのだろうか。

「PTAを“学校の一部”とみんな間違えて捉えているからです。本当は学校とPTAは全く別の団体です。でも学校は、PTAの代わりに会費を集めてあげたり、お手紙を配ってあげたり、PTAの部屋を用意したり、学校が持っている個人情報や保護者名簿をPTAに共有したり、特別扱いすることが多い。PTAが学校の一部だと思われてしまう背景には、こういった現実があって、結果的にPTAが強制・義務のようになっていく。保護者もそれが“当たり前”だと思ってしまって、感覚が麻痺してしまっているのが現状です」

PTA役員“地獄の3択” 「強制入会」はなぜ生まれる? 専門家「一般会員の立場からも声を上げて」

 代々受け継がれるPTAの根強い固定概念。PTAを強制にせず、学校とより良い関係を作っていくためにはどのようにすればいいのだろうか。大塚さんによると、PTAの組織改革には具体的なステップがあるという。

「PTA改革・適正化でよくあるのは、自分が会長や役員になって変えていくケースです。まず、役員の中で『こういうふうに変えていったほうがいいんじゃないか』と方向性を共有し、校長先生に話をする。それから、一般会員の人たちにも『こういうふうに変えたいと思っていますが、どうですか』とアンケートをとったり、説明会を開いたり、意見を聞く機会を設けたりして調整し、最後に規約をPTA総会で修正してフィニッシュ、という流れが多いです」

 しかし、PTAの会長や役員は誰でもなろうと思ってなれるものではない。大塚さんは「会長や役員になれない、時間と労力を割けない人も当然たくさんいる」とした上で「そういうときは一般会員として『ここはおかしいと思います』と地道に声を上げてほしい」と話す。

「会長・役員となって改革する例が多いですが、一般会員の立場から地道に声をあげていくこともとても重要です。もしくは『やめます』『入りません』という選択をして、PTAの適切な運営をうながすやり方もすごく大事です」

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 入退会や活動への参加を任意にし、自主性を重んじることで、参加者が減り、子供の学校生活に影響が出ることはないのだろうか。

「去年から新型コロナの影響で、例年通りの活動ができなくなっているPTAがたくさんあります。そのなかで、みんな『これまで通りの活動ができなくても、特に問題ないよね』ということに気付きつつあります。もし、やらないと子どもの学校生活に影響が出るようなことがあるなら、PTAでやるのでなく、公費をつけてやらないといけません。ただ、保護者たちの横のつながりや、保護者と先生の対話の場は、何かしらあったほうがいいんじゃないかとは思っています」 (『ABEMAヒルズ』より)


『さよなら、理不尽PTA!~強制をやめる! PTA改革の手引き~』(辰巳出版/発売日:2021年11月12日)
◆著者:大塚玲子
NHK「あさイチ」、日テレ「スッキリ」、Eテレ「ウワサの保護者会」などのPTA特集でコメンテーターを務めるなどPTA問題についてメディア出演・執筆多数。ノンフィクションライター、編集者。PTAなどの保護者組織や、多様化する家族を取材・執筆。著書は『ルポ 定形外家族』(SB新書)、『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『オトナ婚です、わたしたち』『PTAがやっぱりコワイ人のための本』(以上、太郎次郎社エディタス)、共著に『子どもの人権をまもるために』(晶文社)、『ブラック校則』(東洋出版社)など。

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