毎週月曜日よる10時から放送中のABEMA『今日、好きになりました。』(通称『今日好き』)。高校生たちが運命の恋を見つける、恋と青春の修学旅行をテーマとした恋愛番組だが、そんな『今日好き』メンバーと、オーディションに合格した一般応募者で構成する『今日好き部文化祭プロジェクト』がこの夏発足、Mrs. GREEN APPLE『僕のこと』を課題曲に、感動溢れるMVを完成させた。
今回のプロジェクトは、“何者にでもなれる、今日(いま)が好き。”をテーマに、新型コロナウイルスの影響により文化祭をはじめとする学校行事を経験できなかった10代や、一歩前に踏み出したい人を応援するため、『今日好き』より発足。『今日好き』に参加したことのあるメンバーのほか、本気で夢を叶えたい20歳以下の男女が集結し、Mrs. GREEN APPLE『僕のこと』を課題曲に、ワンカットMVを撮影した。
監督にはMrs. GREEN APPLE『青と夏』ディレクターの戸塚富士丸氏、ボイストレーナーにはチャンネル登録者数150万人超えのボイトレYouTuber・しらスタの”おしら”、そして振付は日向坂46らを手がける振付ユニット CRE8BOYの、今回の特別企画に相応しいスペシャリストたちが集結。約2か月間に及び、生徒役となるメンバーたちに歌やダンス、演技を徹底的に指導し、生徒たちも汗と涙を流しながらがむしゃらに取り組んだ。そしてワンカット撮影というハードな環境のなか、共に作品を作り上げることに成功した。
たくさんの絆が生まれた本作品、本プロジェクトの要となった3人に話を聞いてみた。
生徒たちの表現力の成長に驚き
「全生徒がとても前向きでひたむきにレッスンに取り組む姿勢が、とても印象的でした」と語るCRE8BOY。レッスン初日はこの環境に慣れないメンバーもいたようで、「表情の面で気持ちを解放するのが苦手な子もいましたが、2回目のレッスン時には見違えるように表現力がアップしていて、とても感動したのをよく覚えています。メンバー同士も年齢の差を感じさせないほどしっかりコミュニケーションを取り合っていて、良い生徒たちが集まったなと感じました」と生徒たちの成長を振り返る。特にリーダーとなったこうせい(大久保晃成/『今日好き』霞草編参加)には、「スキルの差で悩む生徒や、長時間のリハで場の空気が重くなりそうな時、積極的に明るく皆を鼓舞していたところが素晴らしかった」とその振る舞いに賛辞を贈った。
「海沿いでのレッスン。みんな、あの時歌ってくれた歌がイチバン良かったです(笑)」と印象的なシーンについてこう話すのは、おしらだ。「上手に歌うことはとても大切ですし、プロだろうが趣味だろうが、歌を歌う上で、歌のスキルというのはあるに越したことはない」と語りつつも、大事なことはそれだけじゃないと語る。「結局は自分が一番心地よい声で、心地よい場所で、ありのままに歌うというのが原点にあることも間違いない。カラオケやステージ、レコーディングブースだけじゃなくて、自然がいっぱいのところ、心が自由になれるところ、自分がちっぽけと感じられるようなところで歌う気持ちよさも忘れないでいてほしい」と、歌う喜びを生徒たちに呼びかけた。
力になれることは全てやろうと思って、この2か月間向き合ってきた
「印象的だった出来事やエピソードがあまりにありすぎるので、印象的じゃなかった時間などなかったです」 監督を務めた戸塚は、この2カ月はひたすらに生徒たちに向き合った時間だったと語る。「芝居・歌・ダンスのレッスンを通じて交流してきましたが、会うたびに明らかに前より変化していることに驚きました」
戸塚は、そんな成長著しい生徒たちに会うのが楽しみだったようで、「もちろん、本気で何者かになりたくて日々過ごしている彼ら・彼女らだからこそとは思いますが、1日で感じたことを消化して次の日、次の週には何倍も成長した姿で会えるのが楽しみで仕方なかった。我々も熱が入るし、我々の出来ることもどんどん底上げされていったように感じました」と振り返った。
重ねてきた時間は膨大だが、もちろんその全部が映し出されるわけではない。「出演者の魅力が伝わるよう最大限の編集をされている番組スタッフの皆さまに感謝しています。が、同時に辛いのは、尺があるからこそ番組では全てを映し出すことができないところ」と番組ゆえのもどかしさも吐露。
「実際には放送時間の何倍も何十倍も時間を費やしてみんなで練習したり、レッスンしたり、悩んだりもがいたり…仲良くコミュニケーションも取っています。私にとっては全員が全員、バカにしたり嘲笑するとこなど1つもない、何者かになりたくてがむしゃらに走っていた素晴らしい子たちです。表に出てるとこだけで人を判断して欲しくないなという思いがあります」と力を込めた。
実際撮影中は、多くの生徒たちが個人的な悩みやなどを打ち明けてきたようで、「やりたいことができないなど相談してきてくれたり、悩んで涙を流す子もいれば、晴れた顔で前に進んでいるような子もいました。そんな彼ら・彼女らと毎日を過ごしていたらこちらも嘘では向き合えません」と、思いを振り絞った。
全ての参加者がこのプロジェクトを成功させたいと言う願い
そんな膨大な時間とハードな環境で作り上げた今回のMV。苦労した点について聞いてみると、「特に思い当たりません」とCRE8BOYは語る。「レッスンから振り付け作成、現場でのロケハンから本番まで…、出演者からスタッフまで全ての参加者が必死にこのプロジェクトを成功させたいと言う思いが一体となっていました。一生懸命になれる心地よさの方が強烈に心に残っています」と、苦労を思い出すよりも現場の一体感の方が強く印象に残っているよう。特に「生徒の全力ダッシュに合わせて撮影チームの方もものすごい勢いで学校中を駆け回っていたのがとてもカッコよく印象に残っています」と声を弾ませた。
「大変だったことは、最終的な審査結果の審議時間ぐらいかも」と語るのは戸塚だ。「今回たくさんの出演者たちがいて、みんなが本当に長い時間をかけて頑張ってきたので、出来るなら全員をしっかり見せられるような形にしたかった。でもこれまたMVには尺があり、全てを均等にという都合の良いことは通用しません。なので、酷ではありましたが、情に流されず公正な判断をするよう心がけました」と冷静な視点を残すことも忘れない。
ただ、それが「苦しかった」と明かす戸塚。「選ばれたり、勝ち取らなければチャンスはない厳しい世界なので、審査結果により生まれた喜びや悔しさを、みんなの今後に活かしてもらえたらと切に願います」と本音をのぞかせた。
おしらは「ボイストレーニングが1対多数のレッスン形式だったことが苦労しました」と語る。普段は、基本的にマンツーマンで行うボイストレーニングだが、「それぞれの声の課題や歌の課題を解決していくのですが、今回は番組の形式上、その時間を多く取るのが難しかった」と説明。ただ、複数人での利点もあったようで、「目先の技術向上よりも、歌に取り組む時のマインドや、歌そのものへの可能性を感じてもらえるようレッスンになるように、私の意識が向いたことです。もっと個別で歌の悩みを解決してあげかったという気持ちもありますが、結局は自分で切り開き、努力することが必要な世界ですので、結果的にはよかったのではと思っています」と振り返った。
3人が伝えたい想い
最後に改めて完成した作品について、またこの作品を通して伝えたいことをそれぞれ聞いた。
CRE8BOY「あの日あのタイミングで全ての人が全力で取り組めたことが本当に素晴らしいこと」
出演者もスタッフも作品を制作するものとして、『ああすればよかった』『ここをもっとこうしたい』など追求する気持ちは常に込み上げてしまうものだと思っています。それでもあの日あのタイミングで全ての人が全力で取り組めたことが本当に素晴らしいことだと感じます。中には想像の100%を出しきれてなかった生徒さんもいたかもしれません。ですが、限られた時間の中で精一杯取り組んできたという自負は必ずあると思います。彼らの喜び悔しさや努力や達成感、全てが作品に詰まっています。是非彼らの全部を逃さず見ていただきたいです。
おしら「成功体験も挫折もあわせて人生を楽しんでほしい」
技術的な成長はもちろんですが、それ以上に歌に対する取り組み方。そしてそれを通じて、自分自身への向き合い方が変わった子が多かったと思います。改めて『若さ』が持つ成長速度の速さ、そして変化の可能性には驚きました。一方で歌詞にあるとおり、『奇跡は死んでいる』と感じた生徒もいて当然です。努力が報われるとは限らないし、公平や平等は誰かの都合で作られていると既に知っているでしょう。挑戦するもしないも彼らの自由ですが、可愛い生徒たちなので成功体験も挫折もあわせて人生を楽しんでほしいと願っています。もし、『今日好き』Verの僕のことを見て何か感じ取ってくれる人がいるのであれば、ぜひここに至るまでの過程もみてほしいです。ABEMAで見てくださいね(笑)。
戸塚「何者かになるのはとても難しいし、大人になっても考えること」
大切で大好きな作品ができました。何者かになるのはとても難しいし、大人になってもずっと考えてしまうことかもしれませんが、この作品に出演したみんなは、2か月前とは明らかに違う何者かになる一歩を踏み出したと思っています。そんなみんなの一歩目を、どうかあたたかく見守って頂けますと幸いです。
3人の大きな情熱、そして生徒たちの想いが詰まったMV、是非この熱を感じ取ってほしい。
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