女流棋界の2トップと言われる実力者の、普段見せない素顔が丸見えだ。女流による早指し団体戦「第2回女流ABEMAトーナメント」で、チーム西山の西山朋佳女流三冠は、ドラフトで指名した上田初美女流四段、山口恵梨子女流二段と大会恒例のチーム動画を収録。監督の藤井猛九段の前でドミノに挑戦したが、不慣れな作業に四苦八苦。「戦犯になりそう」「できる気がしない」と、力強い棋風とは裏腹に、ネガティブ発言を連発して周囲を笑わせた。
【動画】女流棋士が2時間かけてドミノに挑戦!
西山女流三冠といえば、8つある女流タイトルを里見香奈女流四冠と二分し、新設された白玲戦でも、初代白玲を目前としている女流棋界のトップ。奨励会の三段リーグでは14勝4敗の好成績を収めたこともあり、将棋史において史上初の「女性棋士」に最も近づいた人物だ。
女流初のドラフト会議にリーダーとして参加、対戦成績で0勝の上田女流四段、山口女流二段を指名するという独特の思考の持ち主だったが、チームワークを高めるべく行われた企画はドミノ。普段から共同作業などしない将棋の世界だけに、西山女流三冠も作業開始早々から困惑気味で「器用じゃないです。これ倒れたら終わりですよね。戦犯になりそうな予感しかしないです…」と、弱気な発言を連発した。
上田女流四段がハイペースで並べる一方、山口女流二段は何度も途中で倒してしまう、対照的な進行ぶり。これを見た西山女流三冠は、小分けに並べてまさかの事態に備える“守り”重視の姿勢に、「保険かけまくりです」と自ら“受けドミノ”であると語った。
少しずつ並べていくものの、うっかり倒してしまうミスの連発に、いよいよメンタルがやられ始めたか「もうダメだ。できる気がしない。こういうのがいけないんですね」とボヤキも出始めたところ、藤井九段から「西山さん、どういう感じになっちゃってるんですか」とツッコミ。これにはまさかの「焼肉食べたい…」と、AIでも予想がつかない切り返しで、周囲を笑いに包んでいた。
結果、2時間かけてドミノは完成。1度途中で止まってしまったものの、形としてはきれいに倒し切ることができ「なんだかんだ楽しかったです。お二人がすごいハートが強いっていうのが伝わってきたので、(大会)当日も楽しくやれそうです」と、晴れやかな笑みを見せていた。
◆第2回女流ABEMAトーナメント 第1回は個人戦として開催され、第2回から団体戦に。ドラフト会議で6人のリーダー棋士が2人ずつ指名し、3人1組のチームを作る。各チームには監督棋士がつき、対局の合間にアドバイスをもらうことができる。3チームずつ2つのリーグに分かれ総当たり戦を行い、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。チームの対戦は予選、本戦通じて、5本先取の9本勝負で行われる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)