ファンキー加藤、NOAH“元日武道館”のテーマ曲を制作「プロレスファンにだけわかる秘密の合言葉を忍ばせたい」
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  2022年の元日に行われることで話題となっている、プロレスリング・ノア、1・1武道館大会。その大会テーマソングをファンキー加藤さんが制作することに決定した。大のプロレスファンとして知られ、自身も10月1日にFUNKY MONKEY BΛBY’S再始動公演を武道館で行ったばかりの加藤さんは、どんな楽曲を生み出してくれるのか。発表を前にABEMA格闘TIMESでは、1・1武道館大会テーマソング制作への思いを聞いた。

【映像】大発表が行われたNOAH「GRAND SQUARE 2021 in OSAKA」

― まず、来年1月1日に行われるプロレスリング・ノア日本武道館大会のテーマ曲を作ることとなった経緯を教えてください。

加藤 僕は以前から、自分が通ってるキックボクシングジムでの練習後、プロレス技を練習してる動画SNSにアップしてたんですよ。それである時、三沢光晴さんのローリングエルボーの練習風景をアップしたら、ノアさんの担当者が見てくださって、「ファンキー加藤のプロレス愛、本物なんだな」みたいに捉えていただき、まず中継のゲスト解説のお話をいただいたんです。

― まずはゲスト解説として縁が生まれたんですね。

加藤 それで出演させてもらったとき、自分で言うのもなんですけど、プロレスファンの方々からなかなかの好評をいただいたんですよ(笑)。僕もかれこれ30年くらいプロレスを見続けて、唯一無二の趣味と言ってもいいくらいなんで。自分なりにいくつか、「これはマストで言っておこう」というネタを4つか5つくらい用意しておいて。それを上手に散りばめていったんで、「ファンキー加藤、本物だな」って思っていただけたんじゃないかな、と。

― こいつは“ビジネスプロレスファン”じゃないぞ、と(笑)。

加藤 そういったこともあって、「今度は1・1武道館のテーマ曲を」っていう話になったと思うんですよね。だから、始まりはローリングエルボーなんですよ。

― 「始まりはローリングエルボー」って、なんか曲のタイトルになりそうですね(笑)。でも、何がきっかけになるかわからないですね。

加藤 まさか自分の趣味動画が、こういうお仕事にまでつながるとは思わなかったです。ホント、三沢さんに感謝ですよ。

― プロレスファン歴30年の加藤さんの目に、今のノアはどう映っていますか?

加藤 僕はいま、いろんな団体をくまなく観てるんですけど、いちばん刺激的で、いちばん「これ、どうなるんだ?」と先が読めない団体がノアですね。長くプロレスを見てると、なんとなくその後の展望が変に読めてしまったりするんですよ。ベテランプロレスファンの悪いクセなんですけど(笑)。

― ついつい先読みをしてしまう(笑)。

加藤 ところがノアは全然読めなくて、「この試合、どうなるの?」って、想像がつかない。「何が起こるんだろう?」とワクワクするような、プロレスファンになったばかりの頃の自分を呼び起こしてくれるのが、いまのノアですね。1・1武道館もどんなカードになるか全然読めないんですよ。メインを張れる人がたくさんいますしね。だから最近のノアには、すごくわくわくさせてもらってます。

― そんなノアから、1・1武道館の大会テーマソングの依頼が来た時、どう思いましたか?

加藤 僕は何かしらのかたちでプロレスに関われること自体が幸せなので、すごく光栄だし、うれしかったですね。昔は僕がプロレス関連のことをやることに対して、事務所は積極的じゃなかったこともあったんですけど。最近はプロレス関連でファンキー加藤やファンモンを知ってくれた人がライブ会場にも来てくれるようにもなって。逆にウチのファンがプロレスを好きになってくれたり、そういう懸け橋にもなってきたことで、認められるようになったんですよね。だから、そういう時期もありましたけど、僕はいつだってプロレスに関われるお仕事に対しては前向きですし、すごくよろこびを感じています。

― 「1・1武道館」という特別な大会のテーマソングであることに対しては、どう感じていますか?

加藤 最初、元日の武道館大会をやるって聞いた時、「ノアすごいな!」って思ったんですよ。よく武道館を押さえられたなって。僕もこの間、ファンモンで久しぶりに武道館のステージに立たせていただいて、それは10・1だったんですけど。その時も事務所やイベンターさんが総出でどうにか押さえてくれた日程が金曜日だったんですよ。土日の武道館は難しくて。それだけに1・1武道館を押さえられたすごさがわかるし、おそらく会社組織が一丸となって取り組んでるんだなって感じますね。

― その1・1武道館大会のテーマソングは、どんなものにしたいという構想がありますか?

加藤 今回、楽曲を作るにあたって、すごく“さじ加減”が難しいな、と思ってるんですよ。ホントにプロレスに寄ろうと思えばいくらでも寄れるし、すべてプロレスのワードだけで楽曲を作るのが、僕にとっては一番イージーなんです。でも、せっかく作るなら、一般の人たちや僕のファンの人たちにも響く曲でありたいなという思いがあって。

― プロレスファンにも一般の人にも響くものにしたい、と。

加藤 そこのさじ加減が悩ましいところではあるんですけど。自分が培ってきた応援ソングのひとつにはしたいと思ってますね。1・1武道館だけで終わるのではなくて、今後ファンのみなさんにしっかり愛していただける曲にしたいなと思っています。そこにどうやってプロレスのワードをうまいこと入れていこうかなと、腕が鳴る感じですね。

― では、相当やりがいのある仕事ですね。

加藤 やりがいありますね~。僕ももう10数年間、応援ソングを作り続けてるので、正直、人を励ますフレーズってなくなってくるんです(笑)。

― なるほど。応援する語彙にはかぎりがある(笑)。

加藤 「がんばれ」一辺倒じゃダメだし。だからドラマや映画の主題歌とか、CMソングっていうお題をいただけると、いままで自分の中になかった新しい視点がいただけたりするので、楽曲制作をしている身としては、ありがたかったりもするんですよ。

― では、「ノア」という新たなお題を得て、また新たなものが生まれそうですね。

加藤 団体名の由来が方舟なので、常にノアというのは「船出」や「航海」など、海に例えられることが多いので、そこは自分的にはこれまであまりタッチしてこなかった、新しい歌詞の世界観になるんじゃないかと思ってるんですよ。僕はどうしても東京の八王子出身なんで、例えるのが山とか川ばかりなんで(笑)。

― そういう意味でも、これまでとは違ったインスパイアがあるわけですね。では、素晴らしい楽曲の完成を期待していますよ。

加藤 僕、ノアの皆さんと今回の楽曲制作についてZoomでミーティングしたとき、「お任せください!」みたいな感じで、大見得切っちゃったんですよ。自分でもなんでそんなこと言ったかわからないんですけど(笑)。話をいただいた直後のミーティングだったんで、自分の思いをしゃべりまくって、「僕の楽曲の構想としてはこうでこうで」「なので、お任せください!」なんて言ってしまったもんで、ミーティングも10分くらいで終わったんですよ。

― 「じゃあ、お任せします」と(笑)。

加藤 そうなんです。ノアの皆さんも「もうすべてお任せします」みたいになっちゃって、Zoomを切ったあと後悔したんです。もっと皆さんの意見を聞けばよかったって(笑)。でも、大見得を切った手前、やるしかないですよね。実際、こんなに歌詞を考えるのが楽しみなことってなかなかないですよ。パッと聴いたときはいい感じの応援ソングなんだけど、「加藤、このフレーズかましてねえか?」みたいな。プロレスファンにだけわかる、秘密の合言葉みたいなのを忍ばせたいですね。

― 見えないフックがいくつもあると(笑)。

加藤 一般の人から聞くと応援ソングのワンフレーズなんだけど、プロレスファンが聞くと「あれ?」ってなるという(笑)。それを考えるのが、すっごい楽しいです。

― では、完成を楽しみにしてます!

取材・文/堀江ガンツ

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