「盗塁禁止」「順位付け禁止」子供に競争は不要? “勝利至上主義”なくす動きに現役教師の意見は
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 生徒の競争や順位付けを巡って、議論が起こっている。運動会では競技が減り、ダンスなどチーム種目を増やす傾向にあり、少年野球でも「盗塁を禁止しよう」という動きがある。

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 “盗塁禁止”の動きについて、スポーツライターの広尾晃氏は「小学生は元々盗塁に対して阻止できない子が多い。そうすると、下手なチームは盗塁の無限ループができて、あっという間に大量点を取られて、自分たちがろくに野球をしないうちに敗退する。これが増えて最初でそれを経験するとみんな嫌になって、野球を辞めてしまう。『野球の将来に繋がらないから(盗塁は)やめたほうがいいんじゃないか』という声がある」と話す。打って、投げて、守る……そういった野球本来の楽しさが盗塁によって失われているといった意見があるという。

 「少年スポーツは何のためにやるかというと、健康でスポーツが好きな人間に育ってもらうのが目的であるはずだ。小学生の場合は特に。だが、今の指導者が勝利のために戦わせる。勝利至上主義があって(盗塁)させてしまう」と述べる広尾氏。はたして、競わせる教育は子供ためにアリなのかナシなのか。

「盗塁禁止」「順位付け禁止」子供に競争は不要? “勝利至上主義”なくす動きに現役教師の意見は

 ニュース番組『ABEMA Prime』に出演した“ぬまっち先生”こと東京学芸大学付属世田谷小学校教諭の沼田晶弘氏は「競争は“あり”だと思う」と話す。

「まず、ゴールがしっかりした方がゴールに向かって走りやすい。何もなければ何もできないし、“やらなくていいんだよ”と言われたら人間はみんなやらない。例えば、ゴールが分からないのにラストスパートはできないし、『勝っても負けてもいいよ』と言われたら、もし僕だったら最後の直線で歯を食いしばって走れない。だから、ある程度の勝負はあってもいいと思う。負けた後のフォローは必要だと思うが、勝つために頑張ってるからこそ、伸びていく部分もあると思う」

「盗塁禁止」「順位付け禁止」子供に競争は不要? “勝利至上主義”なくす動きに現役教師の意見は

 沼田氏の意見を聞いたネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「高校生ぐらいになると、みんなそれなりの体格になるが、小学生は子供によって成長速度が全然違う」と言及。「小学校の低学年で順位をつけられたせいで『僕はこれが不得意なんだ』と思い込んでしまった結果、やらなかったり、苦手だと認識したり、そういったマイナスの影響があると思うが、それをどう考えるのか」と投げかけた。

 沼田氏は「土俵が1つだからそうなる。土俵はたくさんあっていいと思う。例えば算数が苦手だと分かっても、走ることは得意だ。じゃあ、そこを頑張っていこうと。そう思っているうちに、だんだん(苦手)意識がなくなってくることもある。算数も1回負けた(失敗した)だけで、苦手だと決めつける必要もない。負けたから苦手だと考えなくていい」と回答。

「盗塁禁止」「順位付け禁止」子供に競争は不要? “勝利至上主義”なくす動きに現役教師の意見は

 また、沼田氏は運動会の順位付けについて「うちの学校は全員リレー参加」とした上で、「勝つためにはどうしたらいいか。元々速い子はどんなに練習してもそんなに速くならない。でも、遅い子を楽しませて少し練習したらすごく伸びることがある。そうすると、チーム全体としてすごく強くなる」とコメント。

「苦手な子が楽しく走れるような工夫をたくさんして、チームが勝てばスターはその子たちだ。足が遅くても楽しくできればいい。苦手に気づくこともいいが、苦手だからこそ『ここを頑張ろう!』と思えるのもいいと思う。速い子たちはほっといてもスターだし、運動会のときに『抜かれてごめんなさい』みたいなことを、足が遅い子の親が言わないといけない、そういったものをなくす仕組みの工夫も必要だ」

 さらに前述の“盗塁禁止”の意見についても沼田氏は「実際に子供たちに聞いてきた」といい、「野球部の子が言っていたが『盗塁禁止はありえない』と。それはなぜか。その子は野球がそんなにうまくないけど、野球部で楽しんで野球をしていて、『(下手でも)盗塁だけはできる。フォアボールを選んで一塁に行けば走れるから、そこの楽しみをなくさないでほしい』と言っていた」と明かした。

 時代によって変化があるのは、順位付けだけではない。通知表も絶対評価が増え、沼田氏によると「昔のような成績だけではない付け方」が行われているという。

「できる子がいれば、絶対評価なので『ここまでできれば成績でAがつく』はある。ただ、全国的に通知表は成績だけではなくて、子供たちに行き先を見せる、“道しるべ”という考え方もある。例えば、すごく足は速くて運動はできるけど『今学期はちょっと足りなかったからBです』みたいな付け方もある。逆に運動がすごく苦手でも『今学期はすごく頑張ったからこのままいきましょう』という意味でAが付くケースもある。だから、成績だけじゃない先を見据えて付ける評価もある」

「盗塁禁止」「順位付け禁止」子供に競争は不要? “勝利至上主義”なくす動きに現役教師の意見は

 沼田氏の解説を聞いた元経産官僚の宇佐美典也氏は「私は和田彩花さん(ハロー!プロジェクトのアイドルグループ・アンジュルムの元メンバー)の長いファンだった」とコメント。

「スタジオにいる和田さんのことを見ながら考えていたが、和田さんは元々そんなに歌が上手じゃなかった。でも、最終的にはものすごい歌がうまくなった。だから、応援してくれる存在はかなり大事なのではないかと思う。競わせる、競わせないというのはおそらく、応援する人を作る意味でも、競わせると応援する側も身が入る。競争も最終的には自分を応援してくれる存在を作ることにつながっているのではないか」

 宇佐美氏のコメントに、スタジオの和田は微笑み。うなずきながら聞いていた。

 賛否両論ある学校教育上の“競争”や“順位付け”。負けた場合のフォローも考えながら、応援者の存在といった結果以外の部分にも目を向ける必要がありそうだ。(『ABEMA Prime』)

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