2015年の国連サミットでの採択から先月で6年を迎えた、「持続可能な開発目標(=SDGs)」。気候変動や貧困対策など、日本でも目標達成に向け多くの企業などで取り組みが進んでいる。
その一方、「コストをかける余裕がない」「そもそもなにをすればいいか分からない」と悩む企業も。こうした中、企業のSDGs導入を支援する会社がある。
それが、株式会社ネクストエージ。「次世代のために次の時代をつくる」をテーマに掲げ、今年4月に設立。SDGs企画のコンサルティング業務など様々な事業を展開している。中心に立つのは、Z世代の若者たち。現役大学生ながら、現在社長を務める一柳翠さんはこう話す。
「上場企業のSDGs推進をお手伝いしたり、SDGsのオリジナル商品の開発だったり。あるいは、他の会社さんとコラボでSDGsの商品を開発したりしている。私たちがこれから生きていく世界をよりよくしていくということは、若者の使命でもあるのかなと思っている」
一柳さんがSDGsに興味をもったきっかけは、アルバイトで直面した食料廃棄の光景だった。
「食品ってこんなに捨てられているんだ、っていうのを知って。自分が食料廃棄の当事者側に回ったことで、食品ロスに興味を持ち始めて。『私にできることは何?』って思って調べたりしていくうちに、『SDGs』って言葉にたどり着いた。SDGsって言葉を届けていく方法を考えた時に、ビジネスで会社としてやることが必要だと思ったので」
今年5月にネクストエージの社長に就任したという一柳さん。消費期限の短いケーキを冷凍保存し、飲むスイーツとして生まれ変わらせたり、子どもたちにSDGsをわかりやすく説明する紙芝居を作ったりするなど、独自の視点でSDGsを推進する取り組みを続けている。
さらに、ネクストエージでは新たな事業に力を注いでいるという。それは、企業のSDGs導入に向けたサービスだ。
それがこの「サステナブルフロンティア」。SDGsに関わる取り組みを行いたい企業とサービスを提供する企業、両者を1つのプラットフォームでつなぎ合わせるというサービスだ。一柳さんはこのサービスを通じて、「企業がSDGsに取り組むハードルを下げる」ということをミッションに掲げている。
「例えば、『インク』。印刷物を会社内でやるにしても、『CO2の排出量が少ないインクがあります』とか、探しているけど自分たちでは見つけれないということもあると思うので。そこのマッチングを目指している。企業がSDGsに取り組むハードルを下げる、っていうのが私たちの目標。ハードルを下げることで取り組める企業を1社でも増やす。そこを目指しているので、それは私たちが、企業が取り組みやすいようなSDGsを提案するということが大事だと思っている」
そして、ネクストエージにはもうひとつの大きな特徴がある。それは、社長が1年で次の大学生に交代するという制度だ。これには「次世代のために次の時代をつくる」という、創業者の思いが込められているそうだ。
「自身が培った経験を社会に還元し、次の世代につなげていく。そんな会社を作っていきたい」と一柳さんは話す。
「私が卒業した後に、起業したりだとか、就職先でSDGsの活動を広めたりしてほしいという思いが反映されたシステムになっている。次の社長もネクストエージでやることを吸収しつつ、毎日学びながら、しっかり成果を出しながら、自分の今後だったりこれを社会にどう還元していくかっていう目線を持ってほしい」
(『ABEMAヒルズ』より)