第一人者は揺るがず 里見香奈女流四冠、怒涛の個人6連勝 先輩棋士も「お姉ちゃん、強すぎます」/将棋・女流ABEMAトーナメント
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 女流による早指し団体戦「第2回女流ABEMAトーナメント」の予選Aリーグ第2試合、チーム里見とチーム伊藤の対戦が10月16日から配信され、フルセットの末にチーム伊藤がスコア5-4で勝利を収めた。ただ、この戦いで唯一3連勝を飾ったのがチーム里見のリーダー里見香奈女流四冠。第1試合のチーム山根戦と合わせて、個人で無傷の6連勝と女流棋界の第一人者として、抜きん出た強さを見せつけることとなった。

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 決して完勝ばかりではない。それでも負けない。対女流戦で圧倒的な勝率を誇る里見女流四冠の強さは、超早指しというルール下においても変わらなかった。この試合では、第3局が最初の出番で、相手は公式戦でも数多く戦っている室谷由紀女流三段。独特な序盤戦から、途中は少し相手にリードを奪われかけたところもあったが、そこからバランスを立て直せるのが強者の特徴。優勢を自覚したあたりからは、指し手にも落ち着きを取り戻し、そのまま120手で押し切った。

 連投となった第4局でぶつかったのは、タイトル戦での対戦も多い伊藤沙恵女流三段とのリーダー対決。先手番から里見女流四冠が中飛車、伊藤女流三段が居飛車の対抗形になると、終盤でも形勢が二転三転する大激戦。「急に崩れてしまって、負けに近い状態だったんですけど、気持ちを最後まで切らさずに指せた」と振り返るほどの一局に187手で勝利した。妹の里見咲紀女流初段が「強いよ!よっしゃー!」とガッツポーズをすると、レジェンド清水市代女流七段も「お姉ちゃん、強すぎます」と噛みしめるように勝利を称えた。

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 勝負強さが光ったのは第6局も同様だ。室谷女流三段と、この日2局目となる対局は、早々にお互いが端の歩を突き越す、意地の張り合いのような出だしに。序盤からペースを握ったものの、室谷女流三段に食いつかれて、形勢は不明となった。「ミスが続いて、難しくしてしまった」と反省するように混沌とした一局にはなったが、決定打を許さずに競り勝ち。終わってみれば2試合連続の3連勝、計6連勝という圧巻の結果が残った。

 チームとしては1勝1敗に終わったものの、得失点差をプラスで終えたことで決勝トーナメントへの進出は決まった。「いい経験が積めました。たくさん食べて、たくさん応援していました」と盤を離れると、楽しそうな笑顔だけが見られた。リーダーにして絶対的エース。今大会、まだまだ里見女流四冠の活躍が楽しめる。

◆第2回女流ABEMAトーナメント 第1回は個人戦として開催され、第2回から団体戦に。ドラフト会議で6人のリーダー棋士が2人ずつ指名し、3人1組のチームを作る。各チームには監督棋士がつき、対局の合間にアドバイスをもらうことができる。3チームずつ2つのリーグに分かれ総当たり戦を行い、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。チームの対戦は予選、本戦通じて、5本先取の9本勝負で行われる。
ABEMA将棋チャンネルより)

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