いよいよ公示日を迎え、選挙戦が本格的にスタートした衆院選。『ABEMA Prime』では22日までの間、主要政党から代表者を招き、各党の政策やビジョンについて聞いており、18日には「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の立花孝志党首が生出演した。
【映像】NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で・立花党首に聞く
■「NHKの営業の人がやりやすいルールに変えればいい」
冒頭、立花党首は「NHKをぶっ壊す!…ということで、ABEMAをご覧の皆さん、ご無沙汰しております。2年前の参院選で、NHK問題という“ワン・イシュー”で当選させていただいた国政政党です。現在は『NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で』ということで、ものすごく長ったらしいが、こういう名前にしておくとアナウンサーが読まざるを得ないので、ちょっとでもPRになると思っている」と挨拶。
「NHKを見ていなければ、お金を払わなくて大丈夫だということだ。我々はNHKにお金を払わない人をお守りする、ということで2年間しっかりやってきた。昨年のNHKの受信料収入は、なんと220億円も減っている。1日にすると、国民がNHKにお金を払う額が6000万円も減っているということだ。今回はそこにちょっと政策を加えてアピールしていきたい」。と、年来の主張について改めて説明した。
そこで元NHKアナウンサーのジャーナリスト・堀潤氏は「立花さんがNHKの問題を内部告発したのは2005年のことだが、僕は2001年に入局したので、パチプロ生活をされたり、市議会選挙に出られたり、YouTubeを始めたり、といったことを新人の頃からウォッチしてきた。(立花氏が主張する)“スクランブル化”が実現した後、NHKはどういう役割を担う放送局になるべきだと考えているのか。また、国政政党の立場から、NHK改革や電波の改革について、自民党や総務省の中に変化の兆しは見えたのだろうか」と質問を投げかけた。
立花氏は「もちろん公共放送というものは必要だが、その役割をNHKが担ってないところが引っかかっている。僕は退職して16年経つが、放送については問題ないと思っているし、むしろ素晴らしい番組もあると思っている。スクランブルになったあとも、特に災害時には報道と教育と福祉は無料開放して欲しいと思っている。ただ、ドラマなどは分社化した方がいいし、営業の方がムチャクチャなことをしていることが問題だ。僕は正義感が強いので、弱者をいじめる、弱い人たちから取ってくるというのが許せない。NHKは素晴らしいことをしているんだし、特に福祉や教育は採算が取れないものだから、1軒1軒回って、お願いをして納得して受信料を払ってもらうという仕事を営業の人にはして欲しいと思う。
最終的にはフジテレビの外資規制の問題で入らなくなってしまったが、今年は受信料の受信料の割増金に関する法案も出た。NHKの集金業務に関しても、総務省に“不正できないようにしてくれ”という形でもやってきた。NHKの前田晃伸会長ご自身もそこはすごく理解されていると思っているし、かなり浸透してきていると思う。その意味では、公約も80%は達成した。ただ、NHKの営業局の人たち以外の人からすれば何も怖くないが、営業局だけは“立花怖い”みたいな感じで固まっている。いわゆる受信料の支払いは設置日に遡らないといけないのに、“今から下さい”とやってしまっているところに対して“白黒はっきりつけるべきだ”ということしか言っていない。つまり法律通りの仕事をしないから、うちの“撃退シール”を貼られたり、電話すると逃げたりするということになる。そこは法律を改正して、営業の人がやりやすいルールに変えればいい」。
■「我々は“反NHK”というわけではなくて、NHKのことをこよなく愛している」
尊敬する政治家は「めちゃくちゃ古い人でいうと豊臣秀吉、今の時代でいうと田中角栄さん」だという立花党首。キャッチフレーズでもある、おなじみの「NHKをぶっ壊す!」について、カンニング竹山が「本当に潰そうとしているわけではない?」と尋ねると、「小泉純一郎さんが“自民党をぶっ壊す!”、橋下徹さんが“大阪市役所をぶっ壊す!”と言っていたから」と説明する。
「やっぱり注目してもらうしかない。そのために、どれだけヒール役やったかということだ。そこは竹山さんと同じじゃないか。今でこそ、政見放送でもクソ真面目なことしか言っていないし、堀江(貴文)さんからも、“いかにこの人がまともな人か、俺が証明してやる”と言われるくらいで、もうふざけたことをする必要もない。“迷惑系YouTuber”と思っている人いるかもしれないが、当時はYouTubeでお金を儲けないと選挙資金が足りなかったので。今はそれは全くない」。
2013年に発足した党は2019年に「NHKから国民を守る党」として参院選に出馬、比例代表で初当選、国政に進出。その後も、党名変更を繰り返してきた。
「我々は“反NHK”というわけではなくて、NHKのことをこよなく愛している。党名については、総務省とのものすごい戦いがあった。“NHKから国民を守る党”は、おそらくミスで通してしまったが、略称をNHK党にしてくれと申請をしたのに、返事が2年も来なかった。2016年の参議院にも出ようと思っていたが、その間に新聞各社が略称“N国党”と書き出した。でもN国党では分からない人が多いので、やっぱりNHK党にしたいなと。そこで“特になし”とか、“自国民を守る党”の略称で自民党とか総務省を撹乱させて、ついにNHK党という略称を認めさせた」。
現在の党名は、“NHKから弁護士法72条違反による損害賠償金をもぎ取ってくる”という意味だという。
「ピンポンを鳴らし、払うつもりのない人に“お金を払ってくれ”と交渉し、これまで相当、迷惑をかけてきたと思う。これは弁護士資格のない人が、断られているのに2度請求をすると、弁護士法72条に抵触する“非弁行為”ではないかということだ。しかし警察も、検察も、法務省も、総務省も、弁護士会も、みなさん“分かりません”としか回答しない。分からないということは、NHKのやっていることは合法ではないということではないか。だから選挙で票を取ろう、ということではなく、NHKのやっていることは犯罪だ、ということを選挙で国民の皆さんにも知ってもらいたい。これを見てどう思うのか問いたいということだ。
何よりも、裁判官も含め法律の専門家に、“確かにNHKのやっていることって非弁だよね、72条違反だよね”ということを訴えたい。そうやって世論を形成しないと裁判に勝てない。今は裁判所の判決を待つだけだが、賠償金を勝ち取った場合、被害を受けた国民の皆さんに受け取ってもらうだけだ。そして、スクランブル放送になれば“ピンポーン。NHKです”“スクランブルしてます”“分かりました”で終わるはずだ。そうやって、国民とNHKとの争いを一度止めたい。そして先ほども言った通り、職員が公共放送の役割や受信料制度について説明して回り、金を払おうという人を集めていければ素晴らしい。加えて、今回の選挙で2〜3議席取れれば、党名を変える。おそらく“みんなの党”だ。渡辺喜美先生に代表になっていただき、僕自身はNHK問題が終わったら代表を退く」。
■「政権交代ができる」“諸派党構想”とは
堀氏は「最近唸ったのは、NHK党のプラットフォームを使って、新人候補を送り出していこうという“諸派党構想”だ。まさにNHKの電波、プラットフォームを使う“パブリック・アクセス”の政党版だなと思った」と評価する。
選挙の先に見据える“諸派党構想”について立花党首は「今回の選挙では獲得議席0だろうと思っていたが、堀江さんが僕のことをメチャクチャ褒めてくれるし、これはワンチャン、3議席くらいいけるんじゃないかと思い始めている。だから日本記者クラブ主催の討論会で、岸田総理に“5議席くらい取ったら閣外協力してくれないか”と聞いてみた。だから政権という意味では、私は次の次、あるいはその次くらいだ。有事の政治と平時の政治は違うし、この国で餓死者や戦死者が出るような状況になれば“諸派党構想”で我々に政権を、ということだ。
今回、ファーストの会が候補を出さないことになったのも、国政政党でなければ衆議院選挙に出られないという、メチャクチャ不利な選挙制度があるからだ。その点、うちの党は出られるので、この器を使ってもらえれば政権交代ができると。そのためには、国会議員給与も2億円くらいは必要だと思う。堀江さんや、この国を支えている人たちに聞くと、国会議員になると給料が下がるし面倒くさいという。そうだとしたら、国会議員を日本で一番魅力のある職業にすることによって国力を上げられると思う」と説明。
「目的を80%実現したということだし、一点突破の破壊力に期待している」と話す元経産官僚の宇佐美典也氏は「器を使ってほしいということだが、たとえば浜田聡参議院議員は与野党の誰もが認める、優れた質問をする議員として活躍されていると思う。若者に門戸を開き、育った議員が浜田議員のようになり、他党に行きたいと言い出したらどうするのか。また、NHK問題の次は、電波問題なのか、それとも他の“二の矢”があるのか」と質問。
立花党首は「浜田君は党を裏切るくらいになったら、この国は終わるくらいのレベルだと思っている。それでも引き止めることはしないし、当然行ってもらえばいいと思う。ただ、政党要件を失ってしまう可能性があるので、どこかの党に頭を下げて、なんとか1人貸してくれということになると思う。具体的には国民民主党の玉木雄一郎さんのところに行って、“政党助成金も入ってくるし、別の形で動けるから”と言う。渡辺喜美先生に関しても、“当面、みんなの党にするので来てください”と言えば、一撃で終わると思う」と回答。
さらに「どうしても中国の侵略というのは気になって仕方がない。平和で暮らすためには、軍事力のぶつかり合いが起こらないことだ。その意味では、国防をちゃんと考えていかないといけない。諸派党構想でも、半分くらいはそこだ。国防に二の矢を放っていきたい」。
■多くの若者が政治に関心を持たない状況…「実はいいことだと思う」
さらに情報収集も選挙活動もネットだ、と断言する立花党首の初めての投票は20歳の時。当時NHKに在職中だった立花党首は、さらに情報収集も選挙活動もネットだ、と断言する立花党首の初めての投票は20歳の時。当時NHKに在職中だった立花党首は、労働組合からの指示で社会党の候補者に投じたという。「2、3日前、自民党に行けたら幸せだな、と思った。岸田さんのSPとかを見ていると、自民党に行きたいと思う。今もたまに行くが、政治家でなければパチプロになっていたと思う。変則打ちとかしていると、“その打ち方、お客様…?”とか言われる(笑)」と話す。
アイドルグループ「アンジュルム」の元リーダー・和田彩花が、若者の政治的無関心の問題について懸念を示すと、「政治というのは本来平和であれば関心がないということだ」とコメント。
「国が乱れれば投票率が上がることになるわけだし、多くの若者が政治に関心を持たないというのは、実はいいことだと思っている。もちろん、選択肢がないから関心を持たないというのは良くない。だから賛否両論あるが、我々はネット上で有名な人を集めてきて、できるだけ関心を持ってもらうようにしている。そして、とにかく多くの立候補してもらうのがベストだと思う。周りに立候補した人が出てくれば関心を持つはずなので、18歳、せめて20歳から立候補できるようにしていく。加えて、私たちは楽しい選挙をしたいと思っている。無理に来てくれというつもりはない。でも祭りのように、行きたくなる、みたいな。そうなれば自然に来てもらえると思っているし。政治って、面白い」。(『ABEMA Prime』より)
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