「ABEMA NEWSチャンネル」とは

——「ABEMA NEWSチャンネル」について詳しく教えてください。

羽根哲哉氏(以下、羽根):365日・24時間編成のニュース専門チャンネルです。「ABEMA NEWSチャンネル」では、ストレートや速報ニュースのほか、独自取材でニュースを深掘りする番組、テーマを絞って議論を繰り広げる番組など、朝昼夜のレギュラー番組も含めて24時間で編成しています。一方で「ABEMA NEWS会見チャンネル」では、政治・経済などの注目会見をノーカットで生中継しています。

「ABEMA」はテレビ朝日とサイバーエージェントの共同事業ですが、「ABEMA NEWSチャンネル」はテレビ朝日の報道局が制作しており、地上波の放送基準を担保していることが一つの信頼性に繋がっていると思います。 

大谷広太氏(以下、大谷):地上波の場合は1日の編成の中でドラマ、バラエティ、スポーツ中継などそれぞれの放送時間が決まっていますが、複数チャンネルを要する「ABEMA」の場合はニュースだけを24時間放送することが可能です。

——「ABEMA NEWSチャンネル」の成り立ちを教えてください。

大谷:「ABEMA」は2016年4月に開局し、「新しい未来のテレビ」として展開していますが放送の根幹は災害時にきちんとした情報を伝えることであり、「ABEMA」においてもそこが軸であるということは藤田晋代表取締役社長をはじめ、開局以前から構想にあったと聞いています。

——強みや注力ポイントを教えてください。 

羽根:特に力を入れているのは地震など災害時の緊急対応です。レギュラー番組を含め、24時間様々なニュースを放送していますが、大きな災害が発生した時は放送中の番組を中断して、「緊急編成」という形で生放送対応しています。

大谷:災害時にチャンネルが1つだけだと、他の番組との兼ね合いや、CMのことも考えた編成が必要になりますが、24時間のニュース専門チャンネルなので、“伝える”ことを第一優先にすることが可能です。また、インターネット動画配信サービスなので、避難先などスマートフォンしか手元にない状況でも、いつでもどこでも見ていただけます。

羽根:全国エリアをカバーしているので、ANN系列26局の協力で各局が取材した素材などを利用させていただけるのも強みです。マス向けの情報ももちろん大事ですが、特定の地域の方に向けたピンポイントな情報を伝えることも意義があると考えています。それだけでなく、地上波で放送している災害時の緊急特別番組も「ABEMA NEWSチャンネル」でサイマル放送する場合もあり、それを見ていただけるというのも、ぜひ知っていただきたいと思います。

また、テレビ朝日の本社内には「ABEMA NEWS」専用のスタジオとサブがあり、インターネット動画配信サービスのサブとしては桁外れに設備が整っているので、様々な現場から送られてくる素材をそのまま取り込んで、すぐに放送できることも速報面を担保できる強みだと思っています。

——地上波との差別化ポイントは?

羽根:放送時間に自由度があるので、例えば記者が取材したことを伝える「解説」コンテンツでは、より詳しく、より長く伝えることができます。地上波では情報の一部しか出せないことも多いですが、「ABEMA」ではそのニュースをより深掘り解説したものを放送しています。

大谷:より“リアル感”のある伝え方ができると思っています。例えば、会見が始まる前から中継を始めるといったケースもあります。多少の予定不調和な粗さを感じるものやハプニングなどもライブ感があり、そこも面白さにつながると思っています。

スマホ時代の“社会インフラ”へ

——「24時間編成」「速報対応」など手厚い対応はどのように実現させているのでしょうか?

羽根:緊急時に対応するため24時間、デスクやサブを運行するディレクターが常駐しているほか、情報を伝えるアナウンサーも24時間スタンバイしています。

ただ、人手が足りなくなることもあります。2024年1月1日の能登半島地震が発生した際は、元日だったこともあり在社していたスタッフは少なかったのですが、発生を知ったスタッフが次々と自主的に駆けつけてくれました。スタッフの多くが、テレビ朝日の報道局記者や番組ディレクターなどを経験していて「緊急対応」の“報道マインド”を持った人たちが集まって運営をしていることも大きいです。

——「ABEMA NEWS会見チャンネル」を立ち上げた理由は? 

羽根:日々、重要な会見というのは数多くあって、それをできる限りノーカットで伝えていきたいという思いがあります。チャンネルが1つだけだと放送できないケースもありますし、以前には発言の切り取りが問題になったこともありました。会見の全体を見てもらうことで、会見者が伝えたいことを視聴者自身が判断することも可能になります。

大谷:昨今、会見は長くなる傾向がありますし、国会中継なども含め時間に縛られずに放送できることが「ABEMA」ならではの良さだと思います。それを実現するためには、「ABEMA NEWS チャンネル」との兼ね合いもあるので、中継だけに特化したチャンネルがあった方がいいと思っています。

——“社会インフラ”を目指す上で欠かせないこと、大事なこととは何だと思いますか? 

羽根:災害報道では1人でも多くの命を救えるよう1秒でも早く情報を伝えることが大切です。「ABEMA NEWSチャンネル」では地震が発生した場合に、スタジオにアナウンサーがいなくても映像だけ(無音)で震源地などの情報を放送することもあります。

災害報道に関しては、たとえ体裁が完璧に整っていなくても、とにかく早く情報を伝えることが大事という意識をもって放送にあたっています。

大谷:「ABEMA」ならではのスピード感はもちろん追求しつつ、誤情報にも注意していかなければなりません。テレビ朝日・ANN各局がきちんと精査した内容を出しているので、情報の正確さは担保できていますが、Xにおける誤情報などが問題になっている背景から、これからの時代はさらにそうした情報を検証することもメディアの重要な役割になってくるのではないでしょうか。

「ABEMA NEWSチャンネル」の今と未来 

——改めて、今回の受賞に対する思いをお聞かせください。

羽根:テレビ局とIT企業がタッグを組んでいるという独自性や24時間編成と全国をカバーしているというニュースを放送する上での信頼性も含めて、他にはない“唯一無二性”を評価いただけたのではないかと思います。また、アジアにおける放送業界全体の受賞であるため、「ABEMA」のユニークな取り組みも見ていただいたのかもしれません。ただ、私たちとしては当たり前のことをやっているだけなので、受賞は驚きではあったのですが(笑)

大谷:インターネット動画配信サービスで何かを中継することは、段々と当たり前になりつつあるので、改めて、私たちの強みをきちんと見つめ直して、もっと磨き上げていかないといけないと思う、良い機会になりました。

——今後の展望を教えてください。

大谷:速報や中継、会見の観点では、被害に遭った方々のいる災害報道で数字が伸びることは決して喜ばしいものではありません。災害時に被災地の方がどんな情報を知りたいのか、台風の時はどんな情報が求められているのかなど、しっかりとニーズを捉えて情報を発信していきたいです。

羽根:メディアは、より多くの人に情報を届けることが目標になりがちですが、よりピンポイントな情報発信を「ABEMA」の特徴を活かしてできないか模索しています。1つのチャンネルでは幅広い災害情報を放送し、もう1つのチャンネルでは、例えば地域の避難所開設に特化した情報を届けるなど、様々なアイデアや手法を検討しています。

また、スマホのバッテリー消費を抑えるために、動画ではなくテキスト記事を活用して、災害時に役に立つ情報提供ができないか検討するチームを立ち上げていて、そういった新たな取り組みも進めていきたいと思っています。

羽根 哲哉氏
株式会社テレビ朝日

報道局クロスメディアセンター ABEMA NEWS 担当部長
1998年、株式会社テレビ朝日に入社。社会部記者などを経て2019年に「ABEMA NEWS」に配属。ABEMA NEWSチーフプロデューサーを経験し、現在は担当部長としてチャンネル運営の責任者を務める。

大谷 広太氏
株式会社AbemaTV

総合編成本部 報道局 局長
2016年、株式会社AbemaTVに入社。情報ニュースサイト「ABEMA TIMES」編集部にて記事化業務を経験。現在は「ABEMA NEWS チャンネル」の編成や運用業務などの統括を行う。

「ABEMA」はテレビのイノベーションを目指し"新しい未来のテレビ"として展開する動画配信事業。

ニュースや恋愛番組、アニメ、スポーツなど多彩なジャンルの約25チャンネルを24時間365日放送。CM配信から企画まで、プロモーションの目的に応じて多様な広告メニューを展開しています。

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