「チケットの売れ行きが悪い」のつぶやきから始まったストーリーは“壮絶”KO決着! ファンとの約束を守った激闘に反響
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 試合前、対戦相手との罵り合いが少なからず目立つ格闘技の世界にあって、両選手だけでなく、周囲の人々を巻き込んで形作られた不思議な絆の末に生まれたKO劇が話題を呼んでいる。激しい試合内容以上に注目を集めたのは、真剣勝負のリングで戦う者同士が築いた信頼関係だった。

 10月22日に後楽園ホールで開催された「RISE 152」で瑠夏(L-REX)と大石健作(TEAM TEPPEN)が対戦。試合は3ラウンド、瑠夏にあわやKO寸前まで追い込まれた大石が、大逆転のカウンターパンチ一撃で相手をKOする劇的な幕切れに。試合後、会場からは勝者・敗者を問わず両選手に対して大きな拍手が送られた。

【映像】壮絶カウンター決着

「チケットの売れ行きが悪い」のつぶやきから始まったストーリーは“壮絶”KO決着! ファンとの約束を守った激闘に反響

 このストーリーの始まりは大会前のこと。瑠夏が「手持ちチケットの売れ行きが悪い」と自身のSNSで告白したことだった。すると困っている対戦相手に大石が反応。「自分の応援でなくてもいい、見に来てよかったと思える試合を彼とします」とファンに呼びかけ、援護射撃。この動きに格闘仲間が続々と反応し、チケットはすぐに完売となった。

 しかし、馴れ合いではないこの世界。試合前の会見で大石は「(瑠夏は)新潟からひとりで来てるの? 倒されるのに1人で帰れるか心配です」と話し、牽制する場面も。自身も1年間ほど勝ちに見放されていることもあり、大石は金髪モヒカンから紅葉を意識した真っ赤なモヒカンに髪を染め上げ、この試合に賭ける思いを感じさせた。

「いい試合を見せたい」とファンに宣言していた両者。開始とともに瑠夏が連続ローで鈍い音を響かせると、大石も連打で軽く相手をグラつかせ、渾身のミドルを放つなど、序盤からバチバチの展開に。1ラウンド、2ラウンドと大石が重みのある左ミドルや強いパンチで瑠夏を圧倒して、“大石のパワー”を印象づけるラウンドが続いた。

 しかし、最終3ラウンドで事態は急展開を見せる。瑠夏が変則的なパンチなどでトリッキーな持ち味を発揮すると、パンチの連打、さらに変則的な右ストレートが大石の顔面を捉えた。その衝撃にアゴが跳ね上がった大石を見るや、瑠夏はヒザを打ち込んで一気呵成に攻め込むも大石がたまらずクリンチで難を逃れる。しかし、瑠夏がなりふり構わず圧力をかけると、大石がヒザをついてしまった。一瞬ダウンかとも思われたシーンだが、レフェリーは割って入った後、試合を再開。瑠夏の勝利か…と思われた空気を一撃で振り払ったのは、大石が繰り出した渾身の左カウンターだった。

「チケットの売れ行きが悪い」のつぶやきから始まったストーリーは“壮絶”KO決着! ファンとの約束を守った激闘に反響

 大逆転の一撃を食った瑠夏は一度立ち上がったものの、再び後ろに倒れて大の字に。ここでレフェリーが試合を止め、ゴングが鳴り響いた。壮絶に散った瑠夏は、試合後に自身のSNSで「後楽園ホールの照明いっぱいあったなぁ 初めて見たなぁ…」と記し、ハッシュタグで「大の字になって分かる景色」とつぶやいた。

 一方、勝った大石も自身のSNSに「あ〜ヒヤヒヤした」と本音を明かしつつ、「プロとして、対戦相手と仲良くしすぎるのもどうかと思うし、安っぽくファンに媚びるのも糞ダサいから嫌いやけど昨日この瞬間、相手の瑠夏君に会場からもの凄い拍手が起きてホンマに嬉しかった」とKO勝利という結果以上に、死闘を繰り広げた対戦相手も評価された試合内容に満足げな様子。

 敗れた瑠夏も「見せ場は作れても勝ちを掴めない自分の弱さです。気持ちよくぶっ飛ばされました」と反省しながらも「負けた自分に対してもったいないと思ってしまうメッセージ、言葉、沢山の僕の目、耳に届いています。」とファンに対する感謝の気持ちを綴った。

 この互いをリスペクトする空気は両陣営にも波及。試合後には大石陣営のTEAM TEPPEN・那須川会長から対戦相手の瑠夏へのアドバイスがあったという。さらに那須川会長はその後、自身のSNSで「健作もこの試合で一皮剥けた気がします。試合後、裏側で互いの健闘を讃え合う2人の姿が格闘技は素晴らしいんだよと、そんな光景があり2人から私も力を貰いました。こんな2人だからこそ試合後、皆様からの会場に響き渡る、賞賛の暖かい拍手が頂けたのだろう。共に良い試合だったよ」と投稿。試合前にファンとかわした「見に来てよかったと思える試合をする」という約束を見事に果たし、激戦を繰り広げた両者の戦いぶりを称賛した。 

【映像】壮絶カウンター決着
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