秋篠宮ご夫妻の長女・眞子さんが26日、小室圭さんと結婚した。翌日、宮内庁書陵部は、眞子さんが皇族の身分を離れたことを「皇統譜」に登録する手続きを行った。
【映像】眞子さんの皇籍離脱 西村長官が「皇統譜」に署名（冒頭〜）
結婚会見で「私と圭さんの結婚について、様々な考え方があることは承知しております」と語った眞子さん。眞子さんと小室圭さんの結婚に関して、Yahoo!が提供する「Yahoo!ニュース」では、一部の記事でYahoo!が定める基準を超える量の批判的コメントが寄せられ、コメント欄を自動的に非表示にする機能が働いた。
なぜ、これほどまでに誹謗中傷のコメントが殺到するのだろうか。臨床心理士で明星大学心理学部准教授の藤井靖氏は「ニュースの対象に深いレベルでスキーマが存在する」と話す。
「スキーマは、普段の言動には直接的には表れることのない、個人の中にある思想・信条、価値観のようなもので、心理の中では変わりづらいもの。それが刺激されたのではないか。今回のことでいえば、皇室に対する思いは人によってさまざまだ。ただ、強くて深い思いを持っている人は、それなりにいる。眞子さんの結婚は、普段は潜在化していて、場合よっては本人も明確には自覚していないような部分までもが顕在化するような、思いが刺激される、突き動かされるニュースだったのだと思う」
「そして人はそのような感情が突き動かされる経験をすると、選択的に同様の情報や関連したニュースに注意が向きやすくなる。一方でニュースサイトでもリコメンド機能によって、ユーザーが読んだ記事と同じような内容が容易に閲覧できるようになる。類似する内容、同じ対象をどんどんおすすめされることで、個人のその対象への選択的注意との相互作用が促進され、さらに思いが乗ったコメントを書きやすい状況に結果的になってしまっている。一般的に、ニュースに対する誹謗中傷のコメント数の増加も、こういったことが起こりやすくなる心理と環境の相互作用があるかどうかに依存している」
また、眞子さんと小室圭さんの結婚会見の記事には、Yahoo!ニュースのコメント欄が閉鎖するほど、書き込みが殺到。ユーザーが過敏に反応した理由について、藤井氏は「恋愛」「結婚」といった多くの人が経験しているジャンルであることに言及する。
「人それぞれ、自分が語りやすい内容、語りにくい内容がある。今回は恋愛や結婚、それに伴う家同士の関係といった、多少個人差はあれど多くの人が見たり経験していたり、何らかの思いがある内容だった。やはり自分に関わりがある内容は話しやすい。他のニュースで言えば、ジェンダーや隣国の話も同じ。だから、心理的に深く考えず、直感的かつ端的に価値観や思いを言葉として発しやすくなってしまう」
「言われた本人がどのような気持ちになるか、コメントを書く人はそこまで深く考えていない。コメントを書くことだけが目的であって、結果としてはひと時のスッキリ感を得ることになっていたり、なんとなくそれが生活の一部になって行動している。しばしば『著名人は自分が“反論・反抗されない対象”だから書いているのでは？』といった指摘もあるが、実際はそうではなく、誹謗中傷のコメントを書いたことすら忘れてしまっていることがほとんど。書いている本人にとっては、それぐらい軽い行動だ」
眞子さんの結婚に先立ち、宮内庁は「複雑性PTSDになるほどの苦痛を感じられている」と発表している。今後、眞子さんは渡米し、小室さんと同居する予定だ。
藤井氏は「環境を変えることは、良い面もあると思うが、心配な部分もある。彼らを取り巻く人々は物理的に減ると思うので、関わる人が少なくなったことで余計な刺激が入らなくなる良さはあるし、減るストレスもあるだろう。しかし、アメリカにおいて小室さんお一人で眞子さんを精神的に支えられるかどうか。それは、愛の深さとは別の話だ」と指摘。「眞子さんにはPTSDに対する適切な治療やサポートを現地で受けていただきたい」と語った。（『ABEMAヒルズ』より）
