将棋の藤井聡太三冠(王位、叡王、棋聖、19)が10月30、31日に行われた竜王戦七番勝負第3局で豊島将之竜王に勝利した。これで同シリーズは第1局から3連勝。竜王奪取にあと1勝と迫るとともに、史上最年少での四冠達成に王手をかけた。
【中継】第34期 竜王戦 七番勝負 第三局 2日目 豊島将之竜王 対 藤井聡太三冠
藤井三冠の先手番で始まった第3局は、両者間では7局ぶりとなる角換わりからスタート。1日目の早い段階から前例を離れ、駒がぶつかり合う激しい展開になると、中盤に入るところで両者ともに100分を超える長考合戦に。形勢互角のまま1日目を終えた。2日目に入っても主導権争いが続いたが、先に難所を抜け出すと自玉の安全度を活かしながら豊島陣深くに攻め入りリードを拡大。同シリーズ3連勝を果たすとともに、対戦成績でも11勝9敗と、かつて“天敵”と呼ばれた先輩棋士を相手に、勝ちを2つ先行させた。
対局後、藤井三冠は「(序盤は)積極的に動かれて、それに対してどう対応すればいいかわからなかったです。中段の飛車を目標にされるような展開になってしまって、少し苦しくしてしまったかなと思って指していました。(2日目は)自信がなかったですが、飛車が捌ける形が出てきたので、楽しみが出てきたかなと思っていました」と勝利を振り返ると、タイトル奪取がかかる次戦に向けては「本局は考えてもわからないところが多くて、そのあたりはちょっと足りないかなと思うので、第4局まで少しでも修正して、いい状態で臨めればと思います」と気を引き締めていた。
藤井三冠が11月12、13日に行われる第4局に勝利すると、将棋界最高峰タイトルである竜王を獲得。現在保持する三冠と合わせて四冠となり、羽生善治九段(51)が持つ最年少四冠記録、22歳9カ月を大幅に更新、史上初の10代四冠となる。また最高峰タイトルの竜王を含む四冠で、渡辺明名人(棋王、王将、37)も上回り、ついに将棋界の序列1位に。まさに将棋界の頂点に立つ。
2016年10月、最年少14歳2カ月で四段昇段、プロデビューしたころは中学生。今ではすっかり大人びた雰囲気もまとうようになった藤井三冠が、将棋界の頂点に君臨し本格的な「藤井時代」をスタートさせる日が、いよいよ目前に迫ってきた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)