圧倒的な破壊力でたたき込まれた左右の連続フックを被弾して前のめりにダウン。メディカルスタッフが敗者に駆け寄って担架で搬送される失神KOに衝撃が走り、勝負が決する瞬間には「ダメ、ダメダメ、止めろ!」と実況が連呼する一幕があった。
10月30日に後楽園ホールで開催された「Krush.130」。第10代Krushスーパー・フェザー級王座決定トーナメントの一回戦で、横山朋哉(リーブルロア)と松本涼雅(team ALL-WIN)が対戦。試合は横山が圧倒的なスピードとパワーで相手を圧倒。2ラウンド2分40秒、左右のフックの連打で松本から失神KO勝利を収めた。
2000年生まれ同士ということもあり、新世代を担う一戦となったこの試合。キックの応酬で相手の出方をうかがう静かな立ち上がりとなった。しかし、2ラウンドに入ると展開は一変する。横山がジャブやローを打ち分けながら積極的に前に出ると、コーナーに追い込み一気に畳み掛ける場面も。
一方、横山のスピードに対応できない松本は伸びのある左ストレート、さらにボディ、ミドルなどで追いつめられる。起死回生のヒザを合わせた松本だったが、横山が返す刀で鮮やかなジャンピング・ハイキック。これが松本の頭部をかすめると、松本は一瞬フリーズ。たまらずコーナーを背負った松本を猛ダッシュで追走し、ヒザを浴びせた横山は続けざまに左、右、左と豪快なフックを3連発。すべてを被弾した松本は前のめりに崩れ落ちた。
リングに顔面をたたきつけるように、うつ伏せで倒れた松本。ダウンカウントは「2」まで数えられたが、即座にレフェリーがゴングを要求して試合を止めた。ダウンの瞬間、ABEMAで実況を担当した新谷アナが「ダメ、ダメダメ! 止めろ止めろ。これはダメだ!」と連呼する様子が、ダウンの激しさを物語っていた。
その後、失神KOを喫した松本はメディカルスタッフに囲まれ、担架で退場。ダウン後にピクリともしない物々しい雰囲気に視聴者から「無事でありますように」「前のめりのダウンで顔からいってるから大丈夫だろうか」など心配の声が相次いだが、松本はその後、自身のSNSで「2R KO負けでした。横山選手ありがとうございました。この結果 しっかり受け止め次に進みたいと思います。」と無事を報告。ファンに再起を誓っている。
圧勝で一回戦を突破した横山はマイクを取り「優勝候補とか言われてますが、もちろん僕が優勝します」と堂々の優勝宣言。試合後にやや強引かつ衝撃的なKO勝利であったことについて聞かれ「松本選手が何か狙っている感じだったんで崩して崩して2Rか3Rで倒そうかなと思っていたんで、それを実行できてよかった。倒すならラッシュかなと思っていた。効いたのが分かったので、最後までいけてよかったです」と振り返った。