高速大容量規格「5G」の拡大などで需要が高まっている携帯電話用の電波(周波数帯)について、総務省が新たな割り当て方式を検討する有識者会議を開いた。いわゆる「電波オークション」方式についても議論の対象とされるといい、NTTドコモの井伊基之社長も16日、「検討する価値がある」との認識を示している。
これに噛み付いたのが楽天モバイルの三木谷浩史会長だ。Twitterで「価格競争を阻害する愚策。ドコモなどは資金力に物を言わせて新規参入や競合を排除する」などと痛烈な批判を浴びせている。
NTTドコモで執行役員を務めた経験も持つ慶應義塾大学の夏野剛・特別招聘教授は「これまでもテレビの地上波アナログ放送用の周波数帯を動かした跡地が携帯電話用として利用されるなど、どんどん増やしてきたが、かつては既得権益を持つ総務省と“うちにお願いします”という事業者が“阿吽の呼吸”、“鉛筆舐め舐め”で割り当てを決めていくやり方をしてきた。それをやめてオークションにすれば、6Gや7Gなどの技術に積極的に投資していこうという事業者が、より高いお金で落とすことになる」と説明。
「そもそも携帯電話事業は基地局の整備にものすごくお金がかかるし、上場企業であればオークションにそんなにメチャクチャな額は張れない。そういう中でオークションをやれば、より先行投資をしたい事業者と、安全に経営していきたい企業の差が出て、本当に欲しい事業者、新しい事業者のところに行く可能性が高くなる。もちろん一口に電波オークションと言っても、どこの周波数帯をやるか、どういうふうにやるかで全く違うので、一概にオークションだから賛成だとは言えないし、消費者への直接的なメリットもないと思う。ただし、それによって国に1兆円単位のお金が入ってくることになるので、少なくとも非常に安い電波利用料だけを集めている今よりも国民のためにはなる。
今回、三木谷さんは“お金のあるところが”云々と言っているが、楽天だって十分にお金がある。オークションにかかったお金がお客さんの携帯電話料金に転嫁されて高くなるのではないかと言って反対する人もいるが、2000年代初頭にヨーロッパでやってみたところ、競争が促進され、むしろ安くなった。フランスでは第4の事業者はオークションで入ってきたところだし、三木谷さんだって今はこういうことを言っているが、それは第4の事業者として総務省に入れてもらえたからであって、もし入れていなければ、逆に“オークションをやれ”と言っていたと思う」との見方を示した。(『ABEMA Prime』より)
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