妊娠中にドラマ撮影の清野菜名に“バッシング”も…宇垣美里「応援する以外ないはずだ」夏野剛氏「祝福してあげる環境にしないと、国が滅びる」
妊娠中のドラマ出演で物議 宇垣美里と考える
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 先月、所属事務所が公表した俳優・清野菜名さんの妊娠。「芸能活動につきましては、お医者様と相談しながら慎重に、安全に配慮して継続して参ります。今後とも温かく見守っていただけましたら幸いです」として、放送中のドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』(TBS系)への主演を続けている。

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 ところが撮影中の清野さんについて報じた記事については、「妊娠を知ってからそんなに動いて大丈夫?ってハラハラする」といった懸念や、「ドラマが決まってからの妊娠ならプロ意識に欠ける」などの批判の声が相次いでいるのだ。

■「ご本人とご家族と周りが“これでいこう”と決めたチョイスに対して、よくそんなことが言えるなと思う」

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 17日の『ABEMA Prime』に出演したフリーアナウンサーの宇垣美里は「ご本人に伝わらなければいいな、と思っている。ご本人とご家族と周りが“これでいこう”と決めたチョイスに対して、よくそんなことが言えるなと思う。応援する以外ないはずだ。知り合いのメイクさんで、本当に元気だからと出産の直前まで仕事をされている人がいた。一方で、“ちょっとつわりがしんどいから休む”という人もいた。本当にその人による」と憤る。

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 経営者でもある慶應義塾大学の夏野剛・特別招聘教授も「たとえば撮影期間が長く出産の時期にかかってくるのであれば交代するといったことはあるだろうが、走るシーンはできないとか、着られない衣装が出てくるとか、そうしたことも全て確認した上でやっている仕事であって、契約違反などには絶対にならないはずだ。人によっても違うし、当事者にしかわからない話だ。それなのに“ハラハラしながら見ている”なんて、僕が言ったら奥さんに張り倒されていると思う。うちの会社にもギリギリまで働いている人もいるし、千差万別だ。ただ、いつでも休んでいいよ、ということは言うようにしている。」と苦言を呈する。

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 産婦人科医の松本由紀子・プリュームレディースクリニック院長は「私は“安定期”というのはないと思っているので、やはり“赤ちゃんを抱くまでは、いつでも大事にしてね”と患者さんにお伝えするようにしている。また、労務の軽減や、休職させた方がいいという医師の診断書があれば企業は休ませなければならない決まりになっているので、まずはお仕事の内容を聞き、動き回らないと全く仕事にならない、行動の制限ができないような仕事という場合は、診断書を書くようにしている。

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 一方で、妊娠をすること自体は病気ではないので、普通に働けそうであれば体調を十分管理して気をつけていれば、制限はいらない、何かあったらすぐに来てくださいと言うようにしている。妊娠初期には体もどんどん変化していくし、つわりもある時期なので、清野さんももしかしたらしんどいということもあったかもしれない。それでも人によっては全く平気だということもあるし、清野さんについても、おそらく周りも様々な配慮をしながら発表をしたり、撮影を進めたりしているのだろうと思う」と話した。

■「みんなで祝福してあげる環境にしないと、国が滅びる」

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 一方、タレントの池澤あやかは「(俳優業は)“ポジション争い”が過酷で、世の中から忘れられてしまうスピードも速い仕事なので、なるべくギリギリまで続けたい、あるいは一刻も早く復帰したい、と考える方が比較的多い業界な気がする。特にドラマの主演というのは、できるチャンスがすごく少ないと思う。私だったら、多少の無理をしてでもやろうと考えてしまうと思う。出産した後で、ということで持ちかけられた話であれば、このような選択をしなかった可能性もあるかもしれない」との見方を示す。

 さらに池澤はフリーのソフトウェアエンジニアとしての立場から「企業であれば産休・育休といった制度が整っているが、経営者やフリーランスの場合に、早く復帰しなければと考える人も多い。加えて妊娠・出産は人生で10回、20回とするものではないし、プライベートなことでもあるので、なかなか相談しづらい。そういう人たちが相談できるような場かサポートがあると助かる」と訴えた。

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 出産の3日前まで勤務した経験があるというシルキースタイル代表取締役の山田奈央子氏も、「仕事を諦めたくないという気持ちはよく分かる」と話す。

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 「私の場合、会社経営をしているということもあって、取引先に変に気を遣われて、“社長さんが妊娠されているなら他の会社に発注しますよ”と言われてしまったこともあり、売上が気になって働き続けてしまった。他の取引先の方にも知られたら…と重い、ダボッとした洋服を着たり、バッグで常にお腹を隠したり。最後の最後は自宅に取引先の方に来てもらって会議をした。体力的にはきつかったし、本当はそこまでしたくなかったが、せざるを得なかったというのが正直なところだ。経営者仲間で話をすると、出産当日まで働いていたという話も聞く」。

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 ギャルユニット「ブラックダイアモンド」リーダーのあおちゃんぺは「こういう論争が起きる理由には、生活のために働かないといけない妊婦さんがいるから、という部分もあると思う。産休に入っても今までの何割かはお金がもらえるというサポートがあれば、お金のことを気にして無理に働く人もいなくなるのではないか」とコメントした。

 松本医師は「企業などに勤めている方だけでなく、ご自身で事業されているような方に対しても、自分が休んでも困らないような組織、環境を作ってもらったらどうか、“困ってないか?大丈夫?言える?”といった話をするようにしている」。

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 夏野氏は「この問題は対象が男性であっても同じだ。政府も大企業に対して男性の育休取得をかなり言っていて、やっていくしかない。例えば14日に広島県知事に再選された湯崎英彦さんの場合、知事になってから育休を取ったが、すごく批判された。でも、男性も含めてリーダー的な立場の人がきちんと取っていくことこそが、女性が安心して生める環境を作っていくわけだ。誰かが妊娠された、子どもが生まれた、ということに対してみんなで祝福してあげるということを忘れてはいけないし、そういう環境にしていかないと、本当にこの国は滅びる」と訴えた。(『ABEMA Prime』より)

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