後に不起訴に…逮捕段階の新聞記事に「番地」まで書く必要はある?「YouTuberが突撃してくるかもしれない時代」
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 新聞記事に番地を含む住所を掲載されたことでプライバシーを侵害されたとして夫婦が新聞社を訴えていた裁判で、東京高裁は18日、静岡新聞社に賠償を命じた1審判決を取り消した。夫婦は覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されていたが、その後、不起訴となっていた。

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 EXITのりんたろー。は「番地まで書いてしまうことについて、報道する側にどういう理念とかポリシーがあるのか、ちょっとクエスチョンだ」、兼近大樹も「“地域の人は気を付けよう“とか、報道にはいろいろな意味があることだとは思う。ただ、番地まで書いてしまうと、周辺に住んでいる人たちが迷惑を被る可能性もある。そこは考えた方がいいのではないか」とコメント。フリーアナウンサーの柴田阿弥も「この夫婦に関しては、後に嫌疑不十分で不起訴にもなっているし、賃貸住宅だった場合に大家さんへの影響も大きい。今ならYouTuberが突撃してくるかもしれない」と首をかしげる。

後に不起訴に…逮捕段階の新聞記事に「番地」まで書く必要はある?「YouTuberが突撃してくるかもしれない時代」

 ジャーナリストの堀潤氏は「報道の現場に携わった立場からも、必要なかったと思う。これは推測だが、“取材で得た情報のうち、ここまでを出す”、ということが伝達事項のような形で受け継がれていて、深く考えずに書いているのではないか。そもそも逮捕された時点では、その人が本当に覚醒剤を使用したのかどうかも含め、まだ分からない状態で、裁判で刑が確定して初めて、その人が犯人ですよ、ということになる。これを“無罪推定の原則”というが、逮捕の時点で報道機関が番地まで晒すということは、“はい、ここに怪しい人がいますよ”と無責任にアナウンスをしてしまうことでもある。誤認逮捕であったとしても、報道機関は責任を取らない。表現の自由、報道の自由というのは、誰かの権利を侵害してでも担保されるべきものなのかという問題になってくると思う」と指摘した。

 慶應義塾大学特任准教授でプロデューサーの若新雄純氏は「僕の地元では、コロナに感染した人がネットで曝されてしまうということが起きた。僕が懸念するのは、報道の自由、表現の自由だということが正義だと拡大解釈し、報道機関でも捜査機関でもないのに“こういう判例があるではないか”と、何かの疑いがある人の家を特定する人が出てくること。そもそも“逮捕”という言葉イコール“犯罪者”というレッテルになりつつあると思う。僕の知り合いにも、いわゆる無実の罪で誤認逮捕に近い形で捕まってしまった人がいいるが、賃貸契約も解約させられ、会社も倒産してしまった。彼の失ったものは誰が償うのかと思っていた」と話した。(『ABEMA Prime』より)

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