将棋の藤井聡太竜王(王位、叡王、棋聖、19)が11月21日、将棋日本シリーズ JTプロ公式戦の決勝で豊島将之JT杯覇者(31)に敗れ、大会最年少、10代初の優勝を逃した。今年度、3つのタイトル戦など15局指し12勝3敗と圧倒していた豊島JT杯覇者との対戦だったが、中盤の攻め合いのところで形勢を損ねると、粘りの攻めも届かず敗戦。豊島JT杯覇者に対する連勝も「7」で止まった。
【中継】2021年度「将棋日本シリーズ」決勝戦 豊島将之JT杯覇者 対 藤井聡太竜王
最年少四冠を達成し、棋士の序列1位にもなった藤井竜王だったが、公式戦最速の早指し戦で、頂点にはあと一歩届かなかった。両者得意の角換わりから始まると、50手過ぎまで両者ほぼノータイムで指し進める超ハイペース。中盤に差し掛かったところで、豊島JT杯覇者が攻めに来たところに反発、攻め合いを挑んだものの、最終盤の王手ラッシュも届かず敗戦。終局後は「もう少し受けに回って頑張る手を指さないといけなかった」と振り返った。
今年度はタイトルを4つ獲得し、年度最高勝率にも届こうかという勢いで勝ち続けていた藤井竜王。ただ、わずかなところで差をつけられれば、豊島JT杯覇者をはじめ、トップクラスの棋士には見逃してもらえず、本局のように敗れることもある。改めて藤井竜王が戦い続けている場所が、超ハイレベルであることを示す一局にもなった。
(ABEMA/将棋チャンネルより)