壮絶な殴り合いを終結させた“右・右・右・右”の4連打。精根尽き果て、崩れ落ちた敗者に「目が飛んでいる」と視聴者は騒然。一方の解説陣は「グッドルーザー」と敗者を賞賛した。
11月20日に後楽園ホールで開催された「Krush.131」。池田幸司(ReBORN経堂)と藤田 和希(K-1ジム目黒TEAM TIGER)の一戦は、両者が持ち味を出す好勝負。近い距離で拳や蹴りが飛び交う緊張感が張り詰めた打撃戦は3ラウンド、右の打ち下ろし4連打でとどめを刺した池田が勝利。「これでもか」というように同じパンチを繰り出し、相手の心を折ったKOシーンに視聴者からは「Aボタン連打みたいなパンチ」「目が飛んでいる」などの声が殺到した。
1ラウンド、ムエタイのラジャダムナン・スタジアム王者やボクシング王者など、一流のトレーナーに学ぶことで実力を伸ばした池田が長い距離から左ジャブやロー、ミドルなどを繰り出して持ち味を発揮する。一方、ハードパンチャーの藤田も左右のオーバーハンドのフックを武器にラウンド後半に見せ場を作ってみせた。
2ラウンド、多彩な蹴りを見せる池田に、藤田は足を止めて切れるのあるストレート、左右のフックで応戦。相手のプレッシャーに下がる場面が目立つ池田だが、下がりながら自分の距離でのパンチや飛びヒザで反撃に転じる場面も見られた。
3ラウンド、池田が右ストレートで先制するも、藤田がフックを怒涛の連打。そこに池田が飛びヒザを合わせ、さらにパンチの雨を掻い潜るようにヒザを一閃する。それでも藤田の心は折れず大きなフック、バックブロー、足を止め殴り合う壮絶な打ち合いに。
ラウンド中盤、両者とも飛びヒザを仕掛ける意地の張り合い。再び足を止めて殴り合うと、池田が強烈な右を1、2、3と連打。さらにゲンコツのようなパンチを打ち下ろすと、藤田はたまらず崩れ、マットにヒザをついた。これまでのダメージの蓄積か、顔面を真っ赤に腫らしながら首を左右に振る藤田、精根尽き果てたような表情を見てレフェリーが試合をストップした。
これでもかと右の拳を4発打ち抜いたKOシーンに「(藤田の)目が飛んでたな」「右・右・右・右い!」「(ゲームの)Aボタン連打みたいなパンチ」という声が。セコンドやメディカルスタッフに支えられてフラつきながらコーナーの椅子に座る藤田からもダメージの大きさは明らかだった。
ABEMAで解説を務めた石川直生は「身震いしましたね…これがKrushです。藤田選手が仕掛けたからこそこの試合になったのでグッドルーザーです」と述べ、最後まで打ち合った勇気ある敗者を讃えた。