岸田政権が恐れる「政治ダメージ」 国際線予約停止“取りやめ”で見えた危機感
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 岸田総理は2日、国土交通省が日本到着の国際線の新規予約を止めるよう航空会社に要請したことについて「邦人の帰国需要に十分配慮するよう指示した」と明らかにした。午後に行われた斉藤国土交通大臣の会見では、国際線の日本到着便の新規予約停止要請によって「混乱を招いた」とし、この要請を取りやめると発表。新型コロナの「オミクロン株」への水際対策として「予防的観点から講じた要請だった」とした上で、「新規予約停止要請を取りやめ、その旨を航空会社に改めて通知した」と述べた。

【映像】岸田政権が恐れる「政治ダメージ」 妥当と言えない“おかしな指示”(5分ごろ〜)

 政府の対応に、ニュース番組『ABEMAヒルズ』に出演した公共政策に詳しい東京工業大学准教授の社会学者・西田亮介氏は「自国民の帰国ができないのはありえない状況だ」と語る。

岸田政権が恐れる「政治ダメージ」 国際線予約停止“取りやめ”で見えた危機感

「自国民の帰国を含む安全を保障するのが政府の重要な仕事であって、そのために手段を整えておくことが重要です。自国民の帰国禁止は妥当とはいえず、『おかしな指示』と言わざるを得ない。そもそも、ビジネスや観光目的で短期滞在を前提に来ている人たちは、長期で現地に留まる準備をしていない場合が多いはずです。現地で使うお金や、宿泊場所の確保などの問題もあるし、ビザの期限もあるかもしれません。影響が大きいだけに事前にきちんと周知する必要がありますが、それをせずに自国民の帰国まで止めてしまうのは先走りすぎだという印象が拭えません」

 2日、アメリカでも初のオミクロン株の感染者が確認された。西田氏は2009年頃に日本を含む世界で流行した新型インフルエンザを比較し、「水際対策は時間稼ぎにすぎないのではないか」と話す。

「約10年前に流行した新型インフルエンザを思い出しても、最初期の国内発生確認は渡航経験のない高校生でした。自国民の帰国者や外交官の出入りのような例外も少なくありません。また検査も100%の精度ではないことは明らかで、どうしても偽陽性、偽陰性が出てきます。そもそも入国者数は相当制限し続けていました。(国内の準備のための)時間のスパンをどれだけ取ることができるか、その必要があるか。本来、ここを考えるのが政治判断になってくるはずでした」

岸田政権が恐れる「政治ダメージ」 国際線予約停止“取りやめ”で見えた危機感

 その上で、混乱を招いた今回の措置について、西田氏は「入国制限より、隔離、追跡の対策が重要ではないか」と指摘する。

「日本に入ってきた人たちの隔離と追跡をどうするかという点で、これは元々新型インフルエンザ対策でも考えられていたことでもある。水際対策をどれだけ厳格に行うかだけがコロナ対策ではない。すでに国内発生が生じていることから、もし国内の感染拡大防止をとにかく本気でやるなら人流の抑制、飲食店の時短など含めて総合的に考えていく必要があるが、政治的にはここには手を触れたくはないわけです。ところで岸田政権は、新型コロナの問題に対し、かなり厳格かつ迅速な対応をしています。これは安倍政権・菅政権の反省で、新型コロナの感染拡大や政策が後手だという印象を与えると政治的に致命的なダメージを負うということを目にして危機感を持っているからではないか。その意味では、そもそもどのようなコロナ対策を行うのか、岸田総理になってから、しっかり明言されていない。改めて国民にどのような対策を行うのか、総合的な方針を示すべきだ」 (『ABEMAヒルズ』より)

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