女子MMAでムエタイからMMAに挑戦した“立ち技”の女王が、レスリングエリートの“寝技”女王からタップを奪うという誰もが予想だにしなかった劇的決着に現地実況が“お口あんぐり”でしばし絶句…。衝撃の結末もさることながら、現地実況の面白リアクションについても「リアクション芸人」「そりゃ驚くよなぁ」など反響が広がっている。
12月3日にシンガポールで開催されたONE Championship「WINTER WARRIORS」で、スタンプ・フェアテックス(タイ)とリトゥ・フォガット(インド)が女子アトム級トーナメントの決勝で対戦。スタンプが腕十字で一本勝ちを収めた。ムエタイからMMAに挑戦した立ち技女王が、レスリングエリートの寝技女王からタップを奪う誰も予想しなかった結末。「レスリングでは勝てない」と予想されていたスタンプが解禁した流れるような寝技の攻勢に現地実況も視聴者コメント欄も騒然となった。
対照的なスタイルの対決。ムエタイの人気選手で、一時期はONEでキックとムエタイの2冠。総合格闘技にも挑戦し前人未到の3冠に最も近い選手といわれたスタンプと、インドのレスリング一家に生まれたフォガット。大方は「組んだらフォガット、打撃戦ならスタンプ」という戦前の予想だった。
試合開始とともに打撃を見せながら、一気に組みにくるフォガット。片足を取りテイクダウンを狙うが、スタンプが体幹の強さを活かしてディフェンス。一度はフォガットがスタンプをマットに叩きつけるものの、自力で立ち上がる。ラウンド後半にはフォガットがスタンプを持ち上げ再びテイクダウンを狙うが、スタンプはフロントチョークで対処して主導権を握らせない。冷静かつ適切なスタンプの動きにABEMAの実況席も「ここまで(タックルを)耐えられるのか」と驚いた様子だ。
2ラウンド、再び片足を取ったフォガットに、スタンプが下から三角締めを狙う。ガッチリと相手を固定して下からパウンド攻撃、パンチが気になるフォガットをジワジワと下から締め上げる。簡単に外されると思った付け刃の寝技だが、あれよあれよという間にガッチリと極めると、力が抜けた相手を横目に、体勢を移動させながら腕十字へと移行していく。
予想外の見事な寝技攻撃に視聴者からも「すごい適応力」「強くなってる」「進化している」と驚きの声。フォガットは腕を取られながらもヒザ攻撃で必死にもがくが、腕を真っ直ぐ伸ばされ極められると、たまらずタップした。
解説の大沢ケンジが「いやぁ予想外!」と話せば、ゲスト解説の岡見勇信も「三角は無理かなと思ったんですけど、しっかりタップを取りましたね」と感心した様子。実況の西達彦アナウンサーも「この決まり手を予想できた人は殆どいなかったのでは?」と興奮気味に続いた。
しかし、この結末に対する驚きを一番わかりやすく表現したのは、ONEの名物リングアナ、ドミニク・ラウと実況席のリアクション。立ち上がり目を大きく見開いてビックリ顔のままフリーズ…。西アナウンサーが「予想してないことが起きたときの顔ですね」と言葉を添えると、視聴者から「ムンクの叫びw」「リアクション芸人」「そりゃ驚くよなぁ」と頷くようなコメントが相次いだ。