犬猫の殺処分、マイクロチップの埋め込み義務化だけでは抑制できない?背景にある“ペットショップ問題”とは
人体への実装は?経験者に聞く
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 去年、新たに飼われ始めた犬・猫は約94万匹。一方、迷子・飼育放棄は約8万5000匹(2019年度)、さらに「殺処分」は約3万匹(2019年)を超えている実態があり、災害時などに飼い主とはぐれた迷い犬や迷い猫の問題の解消や安易な遺棄を防ぐために期待されているのが、“マイクロチップの埋め込み”だ。

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 チップには15桁の番号が割り振られており、それを読み取ることでデータベースに登録された個体や飼い主の情報と照合することができ、来年6月に施行される改正動物愛護法では、犬猫のブリーダーやペットショップに対し装着とデータベースへの登録が義務化されることになっている。

 一方、動物愛護団体の中には、この流れに懸念を示す声もある。

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 「動物実験の廃止を求める会」では、「悪徳業者はチップを入れない可能性がある。また、チップの読み取り機の不全や、体内での移動などにより、飼い主のもとに戻れず野良扱いになる可能性がある。すべてのペットにチップの義務化が実施された場合、むしろ野良犬や野良猫などの駆除や虐待、殺処分が進んでしまう可能性がある」と主張している。

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 また、「日本動物虐待防止協会」理事長の藤村晃子氏も「急ぎ足で決まっちゃったな、という印象があり、まだまだ問題が多い。マイクロチップのメーカーは3、4社あり、読み取るためのリーダーも異なっている。義務化後、かなり混乱も起きるのではないか。また、犬について言えば、医療も進歩しているので、20年ぐらい生きるケースも珍しくない。そういう中で、5年目以降はデータを保持しないという業者が出てくれば、迷い犬になっても見つからなかったり、殺処分していいの?ということに繋がってしまうかもしれない」と指摘する。

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 NPO法人が保護した犬を飼っているジャーナリストの佐々木俊尚氏は「国のデータベースでなくとも、獣医師会のデータベースであれば信頼もできると思うし、抑止力にはなると思う。ただ、うちの保護犬の場合もマイクロチップは入っていたが、照会して出てきた元の飼い主に連絡を取ることはできなかった。そこの住所に行って、周辺に聞き込みをするなどすれば分かるかもしれないが、そこまでやっても仕方がない。諦めて、うちのデータを登録し直してもらった。そういう部分が義務化によって改善されていくのであれば、決して悪いことばかりではないと思う」とコメント。

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 その上で、「マイクロチップだけで全ての問題が解決するわけではないということも大切だ。例えば都心の繁華街では、ペットたちが“通貨”のようになってしまっている。キャバクラの従業員が馴染みの客に“この犬、かわいい。買って”と買わせ、翌日には売ってしまう。その繰り返しでペットが循環してしまっているという実態があるし、それを分かってやっているペットショップも存在している」とした。

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 猫を飼っている「ブラックダイアモンド」リーダーのあおちゃんぺは「私の知り合いにも保護犬を迎えた人がいるが、種犬(繁殖犬)としてだけの扱いだったので、身体が傷だらけだった。やっぱりお金だけのため、子どもを産むためだけに生かされている動物は存在しているので、マイクロチップだけでは解決できない問題もある。私の場合も、猫ちゃんとはペットショップで出会った。当時は無知だったが、問題のあるペットショップがあること、年を取れば病気にもなりやすくなることも学んだ。良いブリーダーを探して相談しながら…というのはハードルが高いことだと思われるかもしれないけれど、そのくらいの覚悟がなければ、ペットを飼うことはできないと思う。単に“かわいいから飼う”というのはやめたほうがいい」と訴えた。

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 2人のコメントを受け、藤村氏は「一目惚れで飼い、大きくなったら面倒くさくなって捨てる。日本は殺処分が前提なので、それが数字に表れている。しかし、捨てられても第2の“犬生・猫生”が送れるような社会にしなければならないし、そのためにはペットショップという販売方法も見直すべきだ。やはりブリーダーからペットショップに流れていく過程で失われる命も多いので、アメリカやフランスでは、すでにペットショップ禁止の動きが出てきている」と話していた。(『ABEMA Prime』より)

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