5日に開催された、小学生プログラマーの日本一を決めるコンテスト「Tech Kids Grand Prix 2021(以下、テックキッズグランプリ)」。次世代のイノベーターの発掘を目指して2018年から開催され、4回目の開催となった今大会には全国から3122人の応募があった。
今年9月にはデジタル庁が発足。2020年度からは、小学校で「プログラミング授業」の必修化がスタート――。経済産業省の試算では、2030年には55万人のIT人材が不足する見込みとなっているなど、人材の育成や強化が喫緊(きっきん)の課題となっている。
こうした中で開催されたテックキッズグランプリは、将来世界で活躍するプログラマーを発掘するべく、IT企業を中心とした25の団体がサポート。賞金総額は100万円と大人顔負けのコンテストとなった。
各地の予選を勝ち抜きグランプリに駒を進めたのは、小学3年生から6年生までの10人の若きプログラマーたち。プレゼンでは小学生ならではの柔軟な発想が次々と披露された。「プラスチック消費量」をQRコードで簡単に調べられるアプリや離れて暮らす祖母と一緒に買い物ができるアプリなど、社会課題の解決に取り組む作品が数多く発表された。
優勝したのは、大分県出身の小学4年生・後藤優奈さん。プレゼンでは、点字が簡単に作れるアプリや、指文字をAIに機械学習させたコミュニケーションアプリを紹介した。
「私はこのアプリを使ってみなさんが手話や点字に興味を持ってくれたらとても嬉しいです。そしてみんなが自由にコミュニケーションできる社会を作っていきたいです」(後藤優奈さん)
SDGsについて学ぶ中で感じた“心のざわざわ”をプログラミングで解決したかったと話す後藤さん。初めて挑んだ全国の舞台で見事頂点に上り詰めたことを振り返り、「初めて全国大会に出て、1位をとれたことがすごく嬉しいです。ありがとうございます」と喜びを語った。
「21世紀を創るのは、君たちだ」をスローガンに掲げ、未来を担う子どもたちの挑戦を支えてきたテックキッズグランプリ。審査員は、閉会式で子どもたちのSDGsへの関心の高さに驚いたと話している。
「まさに次の世代を担う主役のみなさんが社会、環境のことに関心を持ってくれているのは非常に頼もしいことだなと思いました。『世の中を良くしていくために、自分たちにもできる行動の変化ってなんだろう』――そういうことを考え抜いたうえで作品を作ってくれたことが本当に素晴らしいと思います。この経験を大切して、今後みんなが活躍してくれることを期待して楽しみにしております」(株式会社Cygames・永谷真澄氏)
(『ABEMAヒルズ』より)
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